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松本典子の「Azure Logic Apps」超入門 ~AI編~ 第11回

Azureの「Logic Apps」+「Video Indexer」でYouTubeでも使えるWebVTT形式のデータを生成する

AI+ノーコードで動画の字幕を自動生成するツールを作ろう

2021年02月15日 08時00分更新

文● 松本典子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、Microsoft MVP(Azure / Business Applications)の松本典子です。

 最近は、自分で撮影した動画を「YouTube」などのサービスに公開する人が増えています。そんなとき「動画に字幕を付けたい」という場面もあると思いますが、動画を見ながら文字を書き起こすのは、かなり大変な作業ではないでしょうか?

 そこで今回は、Azureの「Video Indexer」というAIサービスを利用し、OneDriveの特定のフォルダに動画を追加すると、動画にクローズドキャプション(字幕)を付けるための「.vtt」形式(WebVTT:Web Video Text Tracksフォーマット)のテキストファイルを自動で書き出す仕組みを、ノーコードで作成する方法をご紹介します。

 本稿の最後に少し利用例を紹介しますが、動画ファイルと共にこの.vttファイルを用意することで、たとえば動画再生アプリやYouTubeで、話すタイミングに合わせて字幕を表示させることができます。

0. 作成手順

 今回の仕組みを作成する大まかな手順は以下のとおりです。

  1. OneDriveの準備
  2. Video Indexerの登録
  3. Azure Logic Appsワークフローの作成

1. OneDriveの準備

 まずはファイル置き場となるOneDriveの準備からです。「OneDrive」ページにアクセスしてサインインし、以下の2つのフォルダを作成しておきます。

  • movie-original:動画をアップロードするフォルダ
  • movie-caption:自動生成した.vttファイルを保存するフォルダ

2. Video Indexerとは

 続いて、今回のキモとなるAzureのVideo Indexerサービスの概要を見てみましょう。

 Video Indexer(正式名称:Azure Media Services Video Indexer)は、ビデオファイルや音声ファイルから話された言葉、表示された文字テキスト、顔、話し手、感情、トピック、シーンといった情報(メタデータ)を自動的に抽出してくれる、Microsoftが提供するAIサービスです。

 今回は話し言葉を字幕にするために使いますが、そのほかにも、たとえば話の内容(トピック)や話し手などの情報を自動で抽出/インデックス化することで、大量に保存されているビデオ/音声の検索や分類を容易にする用途でも使えます。

AIがビデオ/音声ファイルを分析し、話された言葉やトピック、話し手、シーンなどの情報を自動的に抽出する(画像はMicrosoftサイトより)

2-1. Video Indexerのアカウント作成

 Video Indexerを利用するには、アカウントを作成する必要があります。無料試用アカウント(一定時間分のインデックス作成が可能)または、有料オプション(クォータによる制限無し) を選択できます。

 無料試用アカウントは、Webサイト(Video Indexerポータル)からの場合は最大600分(10時間)、API経由では最大2400分(40時間)のインデックス作成を無料で実行できます。サインアップの方法は、以下のドキュメントを参考にしてください。

 また今回は、Video IndexerのLogic Appsコネクタを利用するために、Video indexerポータルとVideo Indexer Developerポータルに記載されている情報が必要になります。

 注意点として、Video indexerポータル、Video Indexer Developerポータルのいずれも、すでにMicrosoft Azureと連携させている場合はサインイン方法として「AADアカウント」を選択してください。

サインイン方法

2-1-1. Video Indexerの「API Key」の確認方法

 Video Indexer Developerポータルにアクセスします。

Video Indexer Developerポータルへのサインイン

 右上の赤枠部分の「SIGN IN」をクリックして、サインインしてください。

PRODUTSページ

 上部メニューの「PRODUCTS」をクリックし、表示されたページの「Authorization」をクリックします。

Authorizationページ

 赤枠内のメニュー「Product Authorization subscription」をクリックします。

API Keyの確認

 赤枠内に表示される「Primary key」が、Logic AppsのVideo Indexerコネクタを接続する際に入力する「API Key」です。

2-1-2. Video Indexerの「Account ID」の確認方法

 Video Indexerポータルにアクセスし、サインインします。

Account IDの確認

 左側にある赤枠内のアイコンをクリックします。

Account IDの確認

 赤枠内の「アカウントID」がLogic AppsのVideo Indexerコネクタを使用する時に入力する「Account ID」です。

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