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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第64回

iPad miniが「ピュアなiPad体験」に:

アップルがiPad体験を再定義した2019年

2019年10月23日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●PCの需要を巻き取る準備ができた

 こうして、iPadの再定義とともに、新しい「iPad体験」が明らかになってきました。タッチとキーボードを主たるインターフェースとする汎用性の高いコンピュータが、新しいiPad体験となります。こうして、今までPCやChromebookがおさえてきた一般的なコンピューティング需要を、iPadが巻き取る準備ができました。

 こう言うとすぐに「無理している」などと言われがちですが、iPadはすでに、出張を含むほとんどすべてのコンピューティングを十分かなえてくれる存在となりました。こういうと手元のMacに申し訳ないのですが、3ヵ月、データや写真のバックアップ以外の目的でMacを起動したり、仕事に出かけるためにMacをカバンに詰めたことはありません。

 筆者のように原稿を書き、アイデアをまとめ、インタビューを録音+メモし、写真やビデオを編集し、Office文書を編集し、PDFを校正し、コミュニケーションをとり、作図し、ウェブに記事をアップするような仕事は、100%iPadでこなすことができ、軽さ、バッテリーの持ち、内臓モバイル通信といったメリットが際立つほどです。

 こうなると、100万本を超えるiPad専用に作られたアプリが、WindowsやChromebookとの大きな差別化要因として意味をなし始めます。これからMacにも、iPadアプリ由来のネイティブアプリが増え続けることになるでしょうが、ウェブ上のサービスをスマートフォンのようにネイティブアプリで利用する点も、ブラウザはウェブ閲覧に特化したい筆者にとってしっくりきます。

 もう、iPadはコンピュータの代替ではなく、コンピュータそのものとして競争力を持っている製品、と見方を変えた方が良いと思っています。これが、現在のiPad体験そのものなのです。

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