圧倒的な存在感。その実フレンドリー
A8を目の前にすると、その大きさに圧倒される。そして風格に「これは運転できるのだろうか」という恐怖心にかられてしまう。特に横方向にワイド化されたフロントグリルはアウディでありながらも、従来とは異なる水平基調で低重心さと、シャープでクールな印象を与える。
車内に入ると、さらに圧倒的。ゴージャスではなく、全体的な品の良さ。このテイストはアウディならではの世界観だ。後席の広さ、座り心地の良さは、ちょっと記憶にないほど。座っているだけで「人生の成功者」と思えてしまう。アームレストには着脱可能なタブレットを装備。エアコンやシートヒーターなどの設定変更ができる。
ドライバーシートに座ると、近年のアウディではおなじみとなったバーチャルコクピットをはじめ、センターコンソールには上下2面のタッチパネルモニターなど、かなり未来的。アウディというと長年MMIと呼ばれるシャトルジョグダイアルを用いたUIが使われていたが、今後はタッチパネルへと移行するんだろう、ということを意識させた。画面にタップすると、指に微振動が伝わる。そのフィーリングはどこかアナログ的で、大変わかりやすい。
ジョイスティック的な動きをするシフトレバーをDのポジションにセットし、おそるおそる走りだすと、これが真逆のフレンドリーさ。軽快な操作性と、想像以上の小回りのよさに「これなら運転できるかも」と誰もが思うことだろう。それでいながら「高級車かくあるべし」と言わんばかりの静粛性と滑らかさと乗り心地。
面白いのは、スポーティーなテイストが見え隠れすること。運転していてワクワクする、アウディ独特の感覚がサルーンにも受け継がれている。ワインディングでもボディーの重さを、あまり感じることはない。この安定感はさすがアウディだ。

この連載の記事
-
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する -
第579回
自動車
新型「プレリュード」は今のHondaを凝縮したハイブリッドスポーツの前奏曲だ! -
第578回
自動車
クラウン・エステートで車中泊体験! 「おもてなし」シートで過ごすぜいたくなドライブ体験 - この連載の一覧へ













