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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第16回

現時点で最高の自動運転技術を搭載したアウディ「A8」

2019年10月20日 10時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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圧倒的な存在感。その実フレンドリー

 A8を目の前にすると、その大きさに圧倒される。そして風格に「これは運転できるのだろうか」という恐怖心にかられてしまう。特に横方向にワイド化されたフロントグリルはアウディでありながらも、従来とは異なる水平基調で低重心さと、シャープでクールな印象を与える。

A8のフロントマスク。シングルフレームグリルがよりワイドに大型化されている

 車内に入ると、さらに圧倒的。ゴージャスではなく、全体的な品の良さ。このテイストはアウディならではの世界観だ。後席の広さ、座り心地の良さは、ちょっと記憶にないほど。座っているだけで「人生の成功者」と思えてしまう。アームレストには着脱可能なタブレットを装備。エアコンやシートヒーターなどの設定変更ができる。

A8のリアシート

リアシートのアームレストには、大型のタブレットを用意。手元でエアコンなどの調整が可能だ

 ドライバーシートに座ると、近年のアウディではおなじみとなったバーチャルコクピットをはじめ、センターコンソールには上下2面のタッチパネルモニターなど、かなり未来的。アウディというと長年MMIと呼ばれるシャトルジョグダイアルを用いたUIが使われていたが、今後はタッチパネルへと移行するんだろう、ということを意識させた。画面にタップすると、指に微振動が伝わる。そのフィーリングはどこかアナログ的で、大変わかりやすい。

A8のダッシュボード。フロントグリル同様に水平基調のデザインだ

上下2段のタッチパネルディスプレー

クリック感のあるシフトノブは上下でモードを切り替え。サイドブレーキは電気式だ

ハンドル周り

アームレストを開けるとUSBポートのほか、SDカードスロットなどが現れる

アウディではおなじみのバーチャルコクピット

運転席後側にはダッシュボードと同じブラックアッシュの木材が使われている

ドアの内張

リアは水平基調のデザインを採用

トランクルームを開けると大容量のラゲッジスペースが出現。コンパクトSUVよりも容量が多く感じられた

 ジョイスティック的な動きをするシフトレバーをDのポジションにセットし、おそるおそる走りだすと、これが真逆のフレンドリーさ。軽快な操作性と、想像以上の小回りのよさに「これなら運転できるかも」と誰もが思うことだろう。それでいながら「高級車かくあるべし」と言わんばかりの静粛性と滑らかさと乗り心地。

 面白いのは、スポーティーなテイストが見え隠れすること。運転していてワクワクする、アウディ独特の感覚がサルーンにも受け継がれている。ワインディングでもボディーの重さを、あまり感じることはない。この安定感はさすがアウディだ。

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