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松村太郎の「"it"トレンド」第273回

2019年の日本はキャッシュレス元年?

2019年10月12日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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ほとんど現金を持ち歩くことがなくなった

 筆者は米国生活を経て、本当に現金を持たなくなってしまいました。

 日本に帰ってきても、無意識に現金が必要な場所を避けています。テレビCMのように、ランチ時間にカードや電子マネーが使えないと言われると、「すみません」と店を後にせざるを得ません。本当に現金がないからです。

 米国では一応、20ドル紙幣2枚くらいをお財布に入れておき、どうしようもないとき、あるいは危機的状況の時に使えるようにしていましたが、日本だとそれもポケットの中の200円くらいなのです。大人として、もう少しなんとかしたほうが良いと思うのですが。

 さて、予定どおりに2019年10月1日に消費税は10%に引き上げられました。リーマンショック級の経済イベントがない限りは実施という条件はついていましたが、米中貿易問題に日韓の経済・安全保障摩擦も、経済全体を揺るがす大事件ではないという判断だったようです。そのため、10%の消費税が、今年の日本の消費者にとっての最大のトピックでしょう。

 軽減税率と通常の税率の混在もわかりにくいとの声がありますが、個人的には「基本は10%で、口に入るモノを持ち帰ろうとすると8%になる」という原則で理解していて、大きな例外はなさそうに思います。

 ただ、難しいのはファストフード店ですよね。持ち帰りは8%、店内は10%。その違いは明快なのですが、過去にグレーなパターンを経験したこともあったからです。「持ち帰ろうと思ったけど時間が余ったからやっぱりここで食べていく」というパターンもありえたなと。

 10月になってから訪れたハンバーガー店で持ち帰りを告げると「店内で食べられなくなりますがよろしいですか?」と丁寧に説明を受けました。「ハンバーガーは店内で、ポテトは持ち帰り」みたいな場合は、会計を分けないといけないのか? それをセットで買おうとしたらどうなるんだろう? などとその場で色々考えてしまいましたが、だったら若干値上げして価格を統一していた方がわかりやすいのかも、というのが現状の結論です。

 もうこのあたりは運用で慣れていくしかないのだと思いますが、法律を作るときに、そうしたユーザー体験、オペレーション側の体験をきちんと考えるべきです。そういう才のある人に投票していない有権者が言うべきことでもなさそうですが、選挙で買い物時のユーザー体験の設計は争点になっていないので……。

食品は無税だったバークレー

 筆者が住んでいたカリフォルニア州バークレーでは、9.5%のセールスタックスが課せられていました。しかも飲食店ではいまだにチップの制度もありました。チップ計算が面倒なのは日本人だからかと思っていましたが、アメリカ人も結構面倒がっていたのです。なので、チップにまごついても堂々としていればいいのだと思います。

 毎日の外食で必要なチップ計算、計算方法を単純化したいということで、よく「ダブルド・タックス」(税金の2倍)という目安がなんとなく流通しています。とはいえ、計算が簡単になったと言っても、別に多く払うことがうれしいとは思えません。

 たとえば15ドルのチキン付きサラダを食べた場合、消費税にその2倍分のチップをプラスした4ドル27セントを加えて、19ドル27セントが支払総額になります。チキンサラダが15ドルという物価にも突っ込みたくなりますが、税金とチップを含めると、なんと20ドルも払わなければならず、まったく健全な消費環境ではないと常々思っていました。

 レストランでは税+チップで約30%上乗せされることになるバークレーですが、スーパーマーケットや食品店で購入する食品に類するものには、セールスタックスはかかりません。そのため、八百屋では2ドルで両手に抱えるほど手に入るレタスであれば、現金でもクレジットカードでも2ドルなのです。

 もちろん店の中でも税金がかかるものとそう出ないものは混在していて、スーパーで買う日用品には税金がかかります。ただし、食品は徹底して無税で購入でき、このあたりは日本に導入された低減税率よりわかりやすいのではないでしょうか。

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