日本マイクロソフトで2015年7月1日から社長を務めてきた平野拓也氏が、2019年8月末で日本法人のトップを退く。平野社長は9月から米国マイクロソフトのパートナー担当バイスプレジデントに就任する。
8月20日に開催された同社 2020年会計年度(2019年7月~2020年6月)の経営方針記者会見で、平野社長はこの4年間を振り返り、「4年間で日本法人の売り上げは2倍に成長し、Azureの新規顧客は4倍以上になった」と述べた。
過去のアスキーの取材に対して、「売上げを増やすことや予算を達成することは経営者の“義務”みたいなもの。それ以外に、日本社会にどれだけ貢献できたか、社員の働きやすさや生産性をどれだけ高められたかが、私自身の経営者としての評価ではないか」と語っていた平野社長。数字以外の部分の4年間の成果として、「日本企業の経営者がITをコストカッターではなく経営課題と認識してくれるようになった。そういった意識の変化があり、製造、流通、金融の業界でイノベーションが進んだ」とした。
社長就任時に「働き方改革のリーディングカンパニーになりたい」と宣言した。その言葉通り、4年間を通して、日本マイクロソフト社内の働き方改革に取り組んだ。「単に『作業を自宅でできる』『時短で仕事ができる』だけではなく、鍵は個人と組織の力をどれだけ引き出すかだ」(2017年10月5日 NTT Communications Forum 2017での講演で)。その結果、4年間で、年間10日間分の労働時間の削減を実現できたという。同社が今年8月に週休3日制を導入できた背景には、4年間の地道な働き方改革の積み重ねがある。