ドライトナー式レーザープリンターが大ヒット
そうこうしているうちに、キヤノンが開発中だったドライトナーを利用したプリンターエンジンのデモをBoiseの人間が見る機会があり、この結果としてキヤノンのCXエンジンという新しいドライトナーのエンジンをベースとして開発されたのがLaserJetことHP 2686Aである。
画像の出典は、HPの“HP Computer Museum”
解像度は300dpiで、印刷速度は毎分8枚とやや下がったが、価格を考えれば十分高速だった。LaserJetはまた、トナータンクとドラム、クリーナーなどが完全に一体化されており、メンテナンスも非常に容易という特徴もあった。
このLaserJetは猛烈に売れ(初年度だけで25万台売れたそうだ)、製造が間に合わなかったらしい。1985年には内蔵メモリーを512KB(LaserJetは128KB)にするとともに、セントロニクスI/Fを追加した(LaserJetはシリアルポートのみ)LaserJet Plusを若干高い3995ドルで販売し、こちらも猛烈に売れた。
実はこれらのプリンターはHPのシステム向けというよりは、1984年に発売されたIBM-PC/ATや、その後で登場したAT互換機市場向けと言う方が正確である。
ThinkJetは個人向けに、LaserJetはオフィスなどの法人向けに、このあとHPのプリンターは大きなシェアを獲得していく。

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