レーザープリンターを開発するが
250ページ出力する間に確実に故障
1984年にはもう1つ、LaserJetの発売もあった。これはやや話が混み入っている。もともとHPは1980年、最初のレーザープリンターとしてHP 2680Aを発売した。
画像の出典は、HPの“HP Computer Museum”
解像度は180dpi、印刷速度は毎分45枚だが、カット紙ではなく連続紙に印刷するというもので、開発はBoise部門であり、1975年から開発に携わっていたそうだ。
最初はキヤノンのプリンターエンジンを利用して開発したものの、これはMTBF(平均故障間隔)がわずか250ページ、つまり250ページ出力する間に確実に故障するという信頼性が低いもので、結局完全に作り直しを余儀なくされたらしい。
これはEPOC(Electrophotographic Printing On Computer)というコード名がついていたそうだが、10万8500ドルという価格もさることながら、そのサイズの大きさはオフィス向けとしては厳しいものだったのは写真でおわかりかと思う。
結局これはその後リモートプリンターや、IBMのメインフレーム向けなど、このサイズが問題にならないような用途に販売され、1987年までに2680Aだけで1500台販売したそうだが、もうちょっとなんとかならないのか? というニーズは当然あった。
これに向けて1983年に開発した、ずっと現実的なサイズの製品がHP 2688Aである。
画像の出典は、HPの“HP Computer Museum”
こちらもやはりBoise部門の開発で、300dpiの印刷品質と毎分12枚の印刷速度を持ち、価格は2万9950ドルと、これも多少現実的なものになった(グラフィック印刷を省いた、テキストオンリーのHP 2687Aは更に安い1万2800ドルだった)。
このHP 2688A、開発コード名がBonsaiだったのはリコーのプリンターエンジンを利用したことに関係しているのかもしれないが、このHP 2688AはもともとキヤノンのLBP-10という1979年に発売された製品に対抗すべく開発したものである。
LBP-10は小型かつ低価格の良い製品ではあったが、液体トナーを必要としていた。HPはこれを嫌って、ドライトナー方式のエンジンをリコーと開発したわけだが、結果として非常に信頼性が低い製品に仕上がってしまった。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第897回
PC
NVIDIA独自コア「Olympus」の真価 Vera CPUが見せたIPC全振りの重厚構造とメモリー帯域依存 -
第896回
PC
Arm自社設計「AGI CPU」の全貌、10-wideデコードと2ダイ構成で見せた優等生的な実力 -
第895回
PC
IBM ZがArmを取り込む衝撃! 次世代メインフレーム「z18(仮)」のネイティブDual-ISA戦略の狙い -
第894回
PC
AMD「Ryzen AI Embedded X100」のリアルタイムAI制御が、Jetsonの弱点であるCPU性能を突く -
第893回
PC
インテル製GPU「Crescent Island」の正体、容量480GBメモリーでエージェント型AIとKVキャッシュ問題に挑む -
第892回
PC
Hot Chipsで明かされた「Wildcat Lake」の全貌 Foverosを捨てMCPを選んだインテルの舞台裏 -
第891回
PC
謎多き次世代Xeon「Diamond Rapids」を解剖、3D Meshの進化と新命令セットAPXがもたらす変革 -
第890回
PC
Samsung「SF2P」の全貌! GAA最大の弱点であるPMOS性能低下を克服し、TSMC追撃へ準備万端 -
第889回
PC
なぜ巨大チップは歪んで壊れるのか? SK HynixのHBM4「MR-MUF」とTSMCのCoWoS-Lを襲う熱膨張の罠 -
第888回
PC
NVIDIA Rubin Ultra開発中止の真相! 180層CoWoS-Lの歪曲トラブルと、急造ラックNVL576に透ける苦肉の策 -
第887回
PC
AIなしではもはや限界 TSMCが明かすメモリー開発にAIが不可欠となった現実 - この連載の一覧へ











