我が家の息子は発達障害です。知的には問題はないのですが、情緒的に不安定なところがあって、非常に育てにくい子供でした。そんな我が家の息子も今年で10歳!今は普通学級で友達もでき、楽しい日々を過ごしています。これは、息子が一番荒れた幼稚園時代の話です。同じように悩んでいるママの参考になれば幸いです。
1.発達障害の息子はトラブルメーカー
我が家の息子が幼稚園生だった頃、うまく友達とコミュニケーションがとれなくて、いつも一人で遊んでいました。たまに友達と遊んだなと思っても、気に入らないことがあると、すぐに相手を叩いたり、噛みついたり、ツバをかけたりする始末。周りに迷惑をかけてばかりいました。その都度、先生が叱っていたようなのですが、全く聞く耳を持たないという感じで、息子の困った行動は収まることがありません。
私が一番辛かったのは、幼稚園の降園後に、みんなで園庭で遊ぶときです。息子は友達に危害を加える子供でしたが、本当は友達のことが大好きでした。そして、降園後は一緒に友達と遊びたいと暴れるのでした。しかし、コミュニケーションがうまくとれない息子は、平和に遊べるはずがありません。友達のスコップをとりあげたり、髪の毛を引っ張ったりして泣かせてしまいます。私は周りのママ達の冷たい視線を感じながら、園庭でもっと遊びたいと暴れる息子を引きずって、毎日、家へと帰るのでした。
2.悪いことを辞めさせたいなら褒めることが大事
息子の幼稚園時代は、常に息子を怒ってばかりいました。しかし、怒れば怒るほど、息子の様子はどんどん酷くなっていき、終いには、何の理由もなく、友達に暴言を吐いたり、叩いて怪我を負わせるような息子になってしまいました。
さすがに先生が「これはまずい」と思ったのか、私は園長先生に呼び出され、「大人しくさせる薬を医師に処方してもらいなさい。」と懇願されてしまいました。もう私の精神も限界でした。
そんなとき、救ってくれたのが、小学校で特別支援コーディネーターをしている先生です。友達との縁がきっかけで知り合いました。
彼女にまず言われたことは「褒めなさい」ということです。発達障害の子供は他の子供よりも何倍も多く怒られていることが多いため、著しく自己肯定感が下がっているのだそうです。うちの息子の場合もそうで、今は自己肯定感が下がっているために、ストレスがかかりすぎて、その感情が爆発している状態だと言われました。そして、このような状態で叱り続けても、逆に悪化するだけだと指摘されました。
確かに大人であっても、多くのストレスがかかりすぎると、自暴自棄になってしまいます。会社でリストラされて、私生活でも離婚するなんてことになったら、人生なんてどうでもいいやと思ったり、心がすさんでいくことでしょう。きっと息子も、このような状態だったのだと思います。
彼女は、続けてこうも言いました。「叱るときは、ダメなことを批判するのではなく、どうすればいいのかを伝えればいいんだよ」と。つまり、息子が友達の頭を叩いたら、「友達の頭を叩いちゃダメでしょ」ではなく、「嫌なことがあったら、口で言おうね」と伝えます。望ましい行動について、具体的に教えてあげなさいと言われました。
本気で息子を変えたいと思った私は、彼女に言われたアドバイスを受けて、絶対に怒るまいと心に決めました。
3.夏休み以降の息子の姿にみんなびっくり!優しい息子が戻って来た!
ちょうど夏休みに入り、幼稚園に行くストレスから解放された私は、この夏休み期間中にじっくりと息子と向き合ってみようと考えていました。息子のことを怒らずに、良いところをたくさん褒め、息子の話をよく聞き、たくさん遊んであげようと。そしてそれを私は実行しました。毎日、公園で遊んだり、お絵描きをしたり。この夏休みは、息子と真摯に向き合えた、思い出深い夏休みとなりました。
そして、夏休みが終わって幼稚園が始まりました。息子のお迎えで幼稚園の玄関で息子を待っていると、先生が駆け寄ってきて、「○○(息子の名前)君、変わりましたね!」と嬉しそうに報告してくれました。なんでも転んだ友達のことを心配し、先生に報告してくれたのだそうです。周りの子供たちも息子が変わったことを感じたようで、「○○君、優しくなったね」と話していたようです。
とはいえ、コミュニケーションの苦手な息子であるため、この後も、ちょこちょことトラブルはありました。ですが、一時の息子の状態と比べると、そこまで気にする程度ではありません。今では、友達もでき、母親の目か見ても、心優しく育っていると思います。
ちなみに、息子は、当初、幼稚園の園長先生から薬を勧められていましたが、私は薬に抵抗があったため、一切使っていません。ただ、叱る行動から褒める行動に変えただけです。もし、我が家のように困っているママがいるのなら、ぜひ実行してみてください。半年後、あるいは一年後には、きっとあなたの子供も変化しているはずです。
※筆者による寄稿記事です