■3%程度に落ち着いた後もPayは使われるのか
一方、依然としてコンビニでは多くの人が「現金」を使っています。重要なのは「Pay」同士の競争ではなく、いかにしてキャッシュレスを盛り上げるかという点であることは変わっていません。
その中で、そろそろ高い還元率にも終わりが見えてきました。LINE Payは4月のキャンペーンで「実質最大20%」還元を打ち出すものの、正味の還元率は15%に低下。4月24日の決算では103億円の赤字が明らかになりました。
PayPayの100億円還元は5月末までに終わる見込みです。それ以降は5月8日から始まる「最大3%」を基本に、「6月はドラッグストアで20%還元」など、月ごとに変わるキャンペーンに移行することを発表しました。
大きなマイルストーンとして、10月には8%から10%へ消費税の引き上げが予定されています。そのショックを和らげる施策が期待される中で、スマホ決済は2〜3%の還元に落ち着く可能性が見えてきました。
クレジットカードの還元率に比べれば、2〜3%は確実に大きいといえます。現金に比べれば確実にお得とはいえ、この程度の還元率ならFeliCaベースの決済のほうが便利に感じる人は多いでしょう。
スマホ決済が生き残るには、アプリの使い勝手を高めたり、個々の利用者にフィットするクーポンを発行したりと、還元率以外の方法でユーザーをつなぎとめる施策が必要になりそうです。
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