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最新パーツ性能チェック 第256回

Optane MemoryでQLC SSDを高速化する「ニコイチSSD」の実力やいかに

Intel Optane Memory H10 with Solid State Storage速攻レビュー

2019年04月23日 00時00分更新

文● 北川達也 編集●ジサトライッペイ

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 IntelからNANDメモリーよりも高速かつ低遅延な不揮発メモリー「3D XPoint」を活用したNVMe SSD「Optane Memory H10 with Solid State Storage」(以下、Optane Memory H10)が正式発表された。

 Optane Memory H10はすでに販売されているストレージ向けキャッシュソリューション「Optane Memory」と3D QLC NANDを採用したSSDを組み合わせたM.2モジュールのNVMe SSDである。本製品のサンプルを組み込んだHP製ノートPC「HP Spectre x360 13"」を入手したので、そのファーストインプレッションをお伝えしよう。

速度と容量の一挙両得を狙った「Optane Memory H10」

 Optane Memory H10は、Optane Memoryと3D QLC NAND採用のSSDを1枚の基板に実装するという、これまでのSSDとは毛色が異なるアプローチを採用した製品だ。QLC NANDのSSDはTLC NANDのSSDよりも安価という点はメリットだが、読み出し/書き込み速度がともに劣っており、特にSLCキャッシュが枯渇したときの書き込み速度の「遅さ」は大きな欠点となっていた。

 そこで本製品では、高速かつ低遅延のOptane Memoryと3D QLC NANDを採用するSSDを同一基板に実装し、前者をキャッシュとして活用。同社のソフトウェア「Intel RST(Rapid Storage Technology)」で、同一基板に実装された3D QLC NANDのSSDをアクセラレーションするというアプローチを取っている。これによって本製品は3D QLC SSDの低価格&大容量という特長を活かしつつ、優れたアクセス性能を実現している。

 同社によると、TLC NANDベースのSSDと比較して、マルチタスクの動作環境で文書ファイルの起動が2倍、ゲームの起動が60%、メディアファイルの読み込みが90%高速化するという。

 Optane Memory H10の容量は256GB、512GB、1TBの3種類がラインアップ。接続インターフェースは同社のウェブサイトではPCI Express 3.0×4となっているが、今回検証したノートPC搭載の製品ではPCI Express 3.0×2となっていた。この仕様はPC OEM向けのカスタマイズによってインターフェース速度をあえて遅くしたのか、それともウェブサイトの情報が間違っているのかはわからない。

Intel RSTの設定画面でOptane Memoryの接続情報を確認すると、ウェブサイトの情報とは異なり、PCI Express 3.0×4ではなくPCI Express 3.0×2接続となっていた。

同様に、QLC NAND SSDのほうもPCI Express 3.0×2接続となっている。

 また、Optane Memory H10はモデルによって搭載Optane Memoryの容量が異なり、256GBモデルでは16GB、512GB/1TBモデルでは32GBのOptane Memoryが載っている。Optane Memoryの仕様詳細は不明だが、現在販売されている16GB/32GBのOptane Memoryと同一仕様ではないかと推測される。

 3D QLC NANDのSSDの仕様についても詳細は不明だ。実際の製品を目視で確認できればもう少し多くの情報をレポートできるが、今回の検証機材はノートPCに内蔵している状態のため、分解が必要となる。ゆえに、本稿ではまずOptane Memory H10の基本的な挙動を検証するに留めておく。

 ただし、同社の3D QLC NAND SSDは、コンシューマー向けの「660p」以外には存在していない。これを考慮すると、660pベースのSSDが搭載されている可能性が高いと見てよいだろう。

Optane Memory H10 with Solid State Storageのスペック
モデル(QLC NAND容量) 256GB 512GB 1TB
Optane Memory容量 16GB 32GB
フォームファクター M.2 2280
インターフェース PCIe NVMe 3.0×4
シーケンシャルリード 1450MB/s 2300MB/s 2400MB/s
シーケンシャルライト 650MB/s 1300MB/s 1800MB/s
ランダムリード(8GBスパン) 230000 IOPS 320000 IOPS 330000 IOPS
ランダムライト(8GBスパン) 150000 IOPS 250000 IOPS 250000 IOPS
リードレイテンシー 8μs 7μs
ライトレイテンシー 30μs 18μs
アクティブ時の消費電力 5.3W 5.8W
待機時の消費電力 L1.2 : <12mW L1.2 : <13mW
動作温度範囲 0~70℃
総書き込み容量 75TBW 150TBW 300TBW
平均故障間隔(MTBF) 160万時間
製品保証期間 5年

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