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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第452回

いまさら聞けないIT用語集 Optaneが採用するNANDより高速なメモリー技術3D XPoint

2018年04月02日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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 今回のお題は3D XPoint。結論から言えば「インテルとMicronの商標」で終わりなのだが、これで終わらせると(以下略)。こちらは前回の3D V-NANDよりも、もう少し3Dに意味がある。

 3D XPointは従来のNAND Flashとはまったく違う記憶原理と構造になっており、強いて言えばXPointがアクセス構成を示すもの、3Dが3D積層をそれぞれ示す。

 ちなみに3D XPointはあくまでも技術の名称であって、これを採用した製品の名前はOptaneになっている。すでに「Intel Optane Memory」や、「Intel Optane SSD」などとして発売されている。

「Intel Optane Memory」「Intel Optane SSD」

 またMicronはこの3D Xpointベースの製品をQuantXというブランドで発売することを2016年に表明したが、当初2017年から製品投入だったはずが、その後2017年後半に延期され、現時点でも製品出荷はなされていない。

 現状ではNVDIMM(DDR4 DIMMの上にNAND Flashを搭載したもの)にこのQuantXを採用する計画が進んでいるようだが、出荷は早くても今年後半になる見通しだ。

メモリーを積層にして配線間隔を詰める
3D XPointの仕組み

 そもそも3D XPointはどんなメモリーなのだろうか? 下の画像は、インテルやMicronが3D CrossPointの構造としてよく説明に出している模式図である。

3D CrossPointの模式図。3Dと言いながらも、現世代の3D XPointは2つの記憶層が積層されているだけである

 この画像を真横から見たのが下図である。上端と下端にWord Line(ワード単位の選択線)、中央にBit Line(ビット単位の選択線)が配され、その間にSelectorと呼ばれるスイッチと、Memory Cell(実際にデータを記憶する部分)が挟まる形だ。

3D CrossPointを真横から見た図

 まずWord LineとBit Lineについて話をしておく。下図は非常に小規模な、4×4で16bitの記憶素子のケースだ。16個斜めにスイッチがついてるのは、スイッチがOnなら1、Offなら0を示していると考えてほしい。

4×4で16bitの記憶素子

 この状態でデータを読み出す場合、まずA0のスイッチをOnにして電圧を掛けると、A0の行のうち、記憶素子のスイッチがOnになっているところだけ、B0~B3に電流が流れるので、これで検出すればA0行の値がまとめて読み出しできることになる(当然検出回路はB0~B3にそれぞれ用意する必要がある)。

 同様にA0をOff、A1をOnにすると、今度はA1の行の記憶素子の値が読み出せるという仕組みだ。

 ここで横方向の配線(A0~A3)をWord Line、縦方向の配線(B0~B3)をBit Lineと呼ぶ。SRAMやDRAMがこの方式の配線を利用して、縦横の交点に記憶素子(SRAMならフリップフロップ、DRAMならキャパシタとトランジスタ)をそれぞれ配する形で実装されている。

 さて、3D XPointもこれと同じ仕組みである。もっとも通常のSRAMは下図のように、一番下にトランジスタを組み合わせたFlip-Flop回路が置かれ、この上にBit LineとWord Lineが構成される形になる。

SRAMの仕組み

 この結果として、Word Line同士、あるいはBit Line同士の間にFlip-Flop回路が置かれることになり、配線間隔をギリギリまで詰められない。

 これはDRAMも同じで、こちらは溝(トレンチ)を掘ってそこをキャパシタとすることで記憶するため、トランジスタは1個だけ(Flip-Flopだと最低でも4つ、普通は6つ使う)で済む分多少マシではあるが、それでも配線をギリギリまで詰められない。

 これに対し、3D XPointは本当にWord LineとBit Lineの間に積層される形になるので、配線間隔をギリギリまで詰められる。このように配線と記憶素子を立体構造にし、さらにBit LineとWord Lineを交差させる、というのが3D XPointの骨子である。

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