■補償金はグローバルスタンダードなのか
自民党内のワーキンググループでは「補償金制度はグローバルスタンダードだ」という意見があるという。自民党関係者は「自民党はグローバルスタンダードという言葉にめっぽう弱い」といい、「日本もグローバルスタンダードに後れをとってはいけない。補償金を強化すべきだ」という流れになる可能性があるという。
しかし、補償金に詳しい関係者は「全世界の補償金徴収額の9割がヨーロッパ。そのうち7割はドイツ、フランス、イタリアであり、補償金制度はグローバルスタンダードではない」と一蹴する。
むしろ、アメリカは私的複製権利制限がなく、補償金制度も事実上、縮小傾向にある。そのため、アメリカは他国に比べて国民一人あたりの音楽・製造市場規模が圧倒的に大きい(アメリカは8万6047円、日本は3万8986円)。
音楽・映像市場規模の拡大を目指すのであれば、補償金のないほうが望ましいのではないか。
3月25日にはアップルも新たに映像配信サービス参入を発表した。音楽も映像もストリーミング配信が全盛となっていくだけに、もはや補償金の議論は時代錯誤も甚だしいといえそうだ。
この連載の記事
-
第197回
トピックス
なぜソフトバンクやKDDIのネットワークは強いのか 「2.5GHz帯のTD-LTE」最強説 -
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは -
第190回
トピックス
KDDI対ソフトバンク “快適な5G”競争に本気出す -
第189回
トピックス
ドコモはユーザーの期待を裏切らないよう、品質改善に資金をつぎ込んでいくべきだ -
第188回
トピックス
楽天・三木谷氏、モバイルの次は“AI” アマゾンとの違い強調 -
第187回
トピックス
能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に? - この連載の一覧へ