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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第502回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 現在に続くIBMのメインフレーム事業

2019年03月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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22nmのZ13で8コアに到達
SMTを採用し性能向上を図る

 まだまだ続く。2013年には22nm SOIを使ったz13プロセッサーが登場する。ついに8コアに到達したこのz13、動作周波数は最大5GHzとやや低めになったが、その代わりSMTを搭載したことで、コアあたりの性能はむしろ12%向上したとしている。

z13プロセッサー。ダイサイズはついに678.8平方mmに

 SMTを利用したことで、重厚なコア構成にしても効率よく使えるということで、命令パイプラインはzEC12比でほぼ2倍に近い、6命令同時解釈/10命令同時発行という、昨今のCPUと比べても見劣りしない構成になった。加えて独立したSIMDエンジンが2つ搭載されており、これを利用してのベクタ演算も可能となっている。

 またz13からはついにMCMが廃止され、SCMのみでの提供になった。プロセッサーはDrawerと呼ばれるシャーシ上の基板に搭載されている。

下段中央がDrawer。1つのDrawerに6つのPU(各々8コアで最大48コアだが、実際には39ないし42コアに抑えられている)と2つのSC(各々のSCは4次キャッシュ480MBを搭載)する

 おそらく以前に比べてMCMでなくても信頼性が確保できる見通しが立ったことと、MCM構成にするとどうしても高価になるために、コスト低減も理由の1つだったのではないかと思われる。

 これを搭載したSystem z13は2015年1月に発表された。プロセッサーを搭載したDrawerは4つまで搭載可能で、最大129コア(SMTなので見かけ上は258コア相当)となるが、これとは別に特定顧客向けのNE1というグレードもあり、こちらはDrawer当たり42コア、システム全体で141コア(見かけ上は282コア相当)まで利用可能となっている。さらに翌2016年にはミドルレンジ向けのz13sも発表された

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