後継はz11と思いきや謎の型番に
ついにOut-of-Orderを実装
z9・z10ときたら次はz11かと思ったら、なぜかz196とz114になった。事実2009年頃は、z9が販売停止を受けて、次はz11になると目されていた。
どちらも基本は同じであり、ついにプロセッサーのパイプラインにOut-of-Orderを実装している。製造はCMOS 12S(45nm SOI)で、コアあたり64K/128Kの1次キャッシュとユニファイド2次キャッシュを搭載、さらに12/24MBのeDRAMを利用した3次キャッシィも搭載するというもので、4コアで512.3mm2という巨大なダイになっている。
画像の出典は、IBM z196 and z114 Hardware Overview and Update
さて、z114はビジネス向けなのでパッケージはSCM(Single Chip Module)であるが、z196は企業向けで8チップのMCMになっている。
画像の出典は、IBM z196 and z114 Hardware Overview and Update
このz196向けのMCMの内部構造が下の画像だ。MCM1個あたり24コアと3次キャッシュ144MB/4次キャッシュ192MBというお化けチップになっている。
画像の出典は、On SOI CMOS as Technology Platform for SoC and Hybrid Device and Function Integration
z114/z196を搭載したのが、2011年7月に発表されたzEnterprise 196とzEnterprise 114で、zEnterprise 196は最大80コア、zEnterprise 114は最大14コアまで拡張可能とされる。
z196をベースにプロセスの微細化(CMOS13S:32nm SOI)とコア数増加、Out-of-Orderの効率向上(In-Flight Windowを増強)などを施したのが、2013年に発表されたzEC12である。
画像の出典は、The IBM zEnterprise EC12 (zEC12) System: Processor, Memory and System Structure Enhancements
動作周波数は5.5GHzに引き上げられ、MCM全体では36コア、3次キャッシュ288MB、4次キャッシュ384MBというさらにお化けぶりが増した構成になった。
画像の出典は、The IBM zEnterprise EC12 (zEC12) System: Processor, Memory and System Structure Enhancements
もっとも36コアには冗長コアが含まれており、MCM1個あたりで利用できるのは最大30コアまでとなっている。これを利用したzEnterprise EC12は2012年8月に発表され、最大構成ではMCM4つを搭載。トータル120コアのうち、101コアをユーザーが利用可能(残りはシステムで利用)となっていた。
同時にzEnterprise BC12も発表されたが、こちらはzEC12を使いつつ、コア数は最大13(うちユーザーが利用可能なのは12)に抑えられ、動作周波数も4.2GHzまでとなっている。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第876回
PC
このままではメモリーが燃える! HBM4/5世代に向けた電力供給の限界と、Samsungが示すパッケージ協調設計の解 -
第875回
PC
1000A超のAIプロセッサーをどう動かすか? Googleが実践する垂直給電(VPD)の最前線 -
第874回
PC
AIの未来は「電力」で決まる? 巨大GPUを支える裏面給電とパッケージ革命 -
第873回
PC
「銅配線はまだ重要か? 答えはYesだ」 NVIDIA CEOジェンスンが語った2028年ロードマップとNVLink 8の衝撃 -
第872回
PC
NVIDIAのRubin UltraとKyber Rackの深層 プロトタイプから露見した設計刷新とNVLinkの物理的限界 -
第871回
PC
GTC 2026激震! 突如現れたGroq 3と消えたRubin CPX。NVIDIAの推論戦略を激変させたTSMCの逼迫とメモリー高騰 -
第870回
PC
スマホCPUの王者が挑む「脱・裏方」宣言。Arm初の自社販売チップAGI CPUは世界をどう変えるか? -
第869回
PC
半導体プロセスの新たな覇権! インテルのDNNプロセッサーはAMDやMetaを凌駕する配線密度と演算密度 -
第868回
PC
物理IPには真似できない4%の差はどこから生まれるか? RTL実装が解き放つDimensity 9500の真価 -
第867回
PC
計算が速いだけじゃない! 自分で電圧を操って実力を出し切る賢すぎるAIチップ「Spyre」がAI処理を25%も速くする -
第866回
PC
NVIDIAを射程に捉えた韓国の雄rebellionsの怪物AIチップ「REBEL-Quad」 - この連載の一覧へ











