MoguraVRのゲームとって出し 第101回
時代を追体験、ゲームと現実世界を行ったり来たり
VRでレトロゲームの世界に飛び込める「Pixel Ripped 1989」
2019年02月21日 17時40分更新
今回紹介するのはVRでレトロゲームの世界を味わうシミュレーションVRゲーム「Pixel Ripped 1989」だ。本作はVRゲームの中でレトロなシューティングゲームをプレーするという、一風変わったゲームで2Dの世界と3Dな世界を行ったり来たりして物語が進んでいく。他にはない魅力のある作品だ。
ゲームを開始するとタイトルとともにいかにも電子的と言った空間が周りに広がる。2Dのゲーム世界と3Dの現実世界を繋ぐ場所である。
そのままゲーム機に取り込まれてしまうのだが、気がつくとそこは初代ゲームボーイの画面に入ったような世界になっている。目の前のテレビに映し出されているのが本作のメインとなる2Dのゲームだ。コントローラーで操作ができるため先に進めていこう。ゲームを進めると周囲の世界にも変化が現れ、物語が進行する。
そんな昔ながらの2Dの世界の出来事が終わると、手元にはレトロなゲーム機が。それをクリアすることで世界を救うのがゲームの要旨となっている。ボタン操作でゲームは操作できるが、腕に合わせてゲーム機も動かせる機能もついている。
気がつくと風景はバーチャルな世界から小学校の教室へと変わっている。周りには自由気ままに遊ぶ児童や落書きされたノートなどありのままの日常が広がっている。手元にはバーチャル世界で手にしたゲーム機が握られており、そのままゲームを進められる。
少し時間が経つと教室へ先生が入ってきて授業を開始する。しかし手元のゲームをクリアすることが目的なので授業中でも御構いなしにゲームを進めていこう。そもそも授業をまともに受けることができないためゲームをクリアするしかないのだが。
しかし、授業中にゲームをしているのが見つかれば先生は怒ってしまう。ものすごい剣幕で近づいてくる姿は下手なホラーゲームより恐怖感がある。ゲームの画面にも表示されるなど先生の力は計り知れない。
3回見つかってしまうと机を壊されてゲームオーバーとなってしまう。手元のゲーム内では何度でも復活できるが、先生の力は強大だ。ゲームオーバーとなると手元のゲーム内の進捗もリセットされてしまう。如何に先生に見つからずにゲームをクリアするかがカギとなる。
そんな先生の気をそらすために使うアイテムが吹き矢のようなデバイスだ。机の上にあるため、目線を向けて装備して好きな場所へ撃ち出そう。山なりに飛ぶため、頭を動かしてよく狙おう。
光っている場所に吹き矢の弾を当てるとさまざまなギミックが発動する。プロジェクターに当てれば落書きが映し出され先生はそれを眺めてしまう。時計に当てれば休み時間が始まり先生はいなくなるなど、自分から注意をそらすことができる。そのうちにゲームを先に進めていこう。
ギミックは様々なものが用意されており、どれも先生の注意をそらせる効果はあるがデメリットのあるものもある。目の前にHMDが表示され見にくくなるモノや、目の前でサッカー選手が踊るものなど気が散るギミックもある。また、ギミックは回数制限があるため、すべて使い切る前に手元のゲームをクリアしよう。
手元のゲームをクリアすると教室内にもゲームの世界が出現する。主人公や敵は2Dなのだが、ステージは3Dになっている。操作方法は今までのままでステージは3Dとなっているため、奥行き感が非常につかみにくい。とはいえ何度落下してもゲームオーバーにはならないため焦らず慎重に進んでいこう。行く手を阻むシャボン玉は吹き矢で割れるため必要に応じて破壊していこう。
ローブを被ったキャラクターを救出すると、再び2Dの画面に戻り次のステージが始まる。再び敵が襲ってくるためそれを撃退するためにゲームを進める。ステージはいくつか用意されており、すぐに終わってしまうような内容ではない。
ステージが進むと教室だった世界も変化していく。外のステージや美術室のような場所などさまざまな場所でゲームを進めていく。もちろん先生はいなくとも他にもゲームを妨害してくるギミックはあるので、それらを避けつつクリアを目指そう。
VRゲームの中でレトロなゲームができるという一風変わった本作。レトロなゲームができる作品であればそこまで注目すべき作品ではない。しかしレトロゲームとVR空間が干渉し合うシステムはまさにVRならではと言える。小学生の頃に隠れてゲームをやりたいと思った方も多いのではないだろうか。そんな夢を叶えさせてくれる作品である。
とはいえ、プレーしてみるとレトロゲームの難易度の高さがクリアを阻む障壁となる。横スクロールのロックマンシリーズをよくプレイしていたユーザーには問題ない難易度だが、それに慣れていないユーザーは先に進むのに苦労するだろう。普通にプレーしても手応えのある難易度だが、それに追加して先生や周囲のギミックを気にしつつプレーしなくては行けない。マルチタスクが求められる忙しいゲームではある。
Pixel Ripped 1989™ and all its contents are a property of ARVORE IMMERSIVE EXPERIENCES, LLC.
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