最新パーツ性能チェック 第248回
Ryzen Threadripper 2990WXとエキシビジョンマッチ開催
Xeon W-3175X徹底検証!クリエイター向けIntel最強28コアCPUは32コアに勝つ?
2019年02月20日 14時00分更新
動画編集ソフトでも安定して高速なXeon W-3175X
続いては動画編集系アプリで検証しよう。Threadripper 2990WXはCPU内部がやや特殊な構造になっており、処理が発生するダイ(ノード)がメモリーに直結していないと非常に遅くなるが、特に動画エンコード系で弱いという特徴がこれまでの検証からわかっている。当然モノリシックなメニーコアCPUであるXeon W-3175Xはその弱点がないと考えられるが、実際に回してみないことには断言はできない。
まずは「Premiere Pro CC」で再生時間2分20秒の4K動画を作成し、それをH.264形式(29.97fps)のMP4形式に書き出す時間を計測する。
もともとPremiere ProのエンコーダーはAMD系CPUには相性が悪く、特にThreadripper 2990WXではあまり速くならないことが指摘されている。今回使用したPremiere Proでもまだその傾向を引きずっており、Threadripper 2990WXはXeon W-3175Xの約2倍ほどの処理時間と振るわない結果だった。
また、Threadripper 2990WXはブレが大きく、今回は7回計測して中央値で比較している。170秒前後で終わる時もあるが240秒を超えることもあった。コンピュートダイに処理が落ちた時の速度的ペナルティーが極めて大きいThreadripper 2990WXに対し、最短と最長の結果が5秒も違わないXeon W-3175X、という極めて対照的なテストとなった。安定感という意味でもXeon W-3175Xに軍配が上がるだろう。
続いては「HandBrake」だ。ゲームを4Kでプレイした際の動画(再生時間約5分)をフルHDのMP4形式に書き出す時間を計測した。コーデックはx264(H.264)及びx265(H.265)を利用し、フレームレートは60fpsの固定フレームレートとした。画質などの設定はプリセットの「SuperHQ 1080p30 Surround」をベースにしている。
Premiere Pro CCと同様、Xeon W-3175Xは安定して速い。特に計算量の多いH.265の処理でThreadripper 2990WXに大きな差をつけている。やはり動画編集系アプリを安定して速く実行したいなら、インテル系CPUを選ぶほうが得策と言えるだろう。

この連載の記事
-
第473回
デジタル
Ryzen 7 9800X3Dと9700Xはどっちが良いの?! WQHDゲーミングに最適なRadeon RX 9060 XT搭載PCの最強CPUはこれだ! -
第472回
sponsored
触ってわかった! Radeon RX 9070 XT最新ドライバーでFPSゲームが爆速&高画質に進化、ストレスフリーな快適体験へ -
第471回
デジタル
8TBの大容量に爆速性能! Samsung「9100 PRO 8TB」で圧倒的なデータ処理能力を体感 -
第470回
デジタル
HEDTの王者Ryzen Threadripper 9980X/9970X、ついにゲーミング性能も大幅進化 -
第469回
デジタル
ワットパフォーマンスの大幅改善でHEDTの王者が完全体に、Zen 5世代CPU「Ryzen Threadripper 9000」シリーズをレビュー -
第467回
デジタル
Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ -
第466回
デジタル
Radeon RX 9060 XTは6.5万円でVRAM 16GBのお値打ちGPUになれたか? -
第465回
デジタル
遅れてやってきたPCIe5.0 SSDの大本命、リード14GB/秒超えのSamsung「9100 PRO」を実機レビュー -
第464回
デジタル
Radeon RX 9070シリーズの仕上がりは想像以上だったことがゲームベンチでわかった -
第463回
デジタル
Ryzen 9 9950X3Dは順当進化。3D V-Cache搭載Ryzenの最強モデルだがクセありな部分はそのまま -
第462回
デジタル
RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー - この連載の一覧へ











