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業界人の《ことば》から 第328回

ゲーマーに気づかされることが多い

アイ・オー・データ機器 大規模なリストラから6年で復活へ

2019年02月06日 08時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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ライブ音声配信サービス「PlatCast」に注力

 とくに、力を注いでいるのがライブ音声配信サービス「PlatCast」である。

 アイ・オー・データ機器 執行役員 事業戦略本部企画開発部・加藤光兼部長は「PlatCastは手軽に簡単に多数の人に、音声を配信するサービス」と位置づけ、「現在いくつかの実証実験を行っており、そのなかで課題も浮き彫りになってきた。今年中にはなんとか形にしたい」と商用サービス化に意欲をみせる。

 配信側はRaspberry Pi 3などによる配信デバイスとヘッドセット、ミキサーを用意。クラウド上に音声データをアップロードする。一方、聴取側はスマホを使ってQRコードを読み込み、ウェブブラウザーから配信サーバーのサイトにアクセスすれば、スマホを通じて音声を聞ける。

 「スポーツ会場では来場者サービスとして、ライブで試合の解説をしたり、普段は聞けない選手情報を聞けたりといったことができる。また、博物館や美術館の展示案内、学会やセミナーでの同時通訳などにも利用できる。従来は専用機材が必要であったところにも、手軽に導入することができる」とする。

 すでに、バレーボールのVリーグの試合で試験導入されている段階だ。インタクティブではないが、同時に多くのライブ配信ができること、サービスの構築・運用費が安価であること、音声データのみの配信のため通信インフラに対する負荷が少ないこと、比較的少ないバッファリングで配信が可能で、数秒の遅延でライブ感を演出できることなどのメリットがある。

 「音声に特化した中規模/小規模向け配信サービスとして、安価で導入しやすいモデルとしての商品化を目指す。今後も実証実験を重ねて、機能のブラッシュアップを図る」とする。

 同社が目指すソリューションビジネスに育て上げられるかが注目される。

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