WSLでは複数のディストリビューションが
利用可能なため区別が付きにくい
Windows Subsystem for Linux(以下、WSL)では、複数のディストリビューションが利用可能になっている。使い分ける場合、ウィンドウ左上のアイコンでは区別がしにくい。特にUbuntuは18.04、16.04と最初からあるUbuntuの3つのディストリビューションがあり、アイコンが同じ。そのウィンドウは見ただけではどのディストリビューションなのかわからない。
筆者は最初、プロンプトでディストリビューションを区別していた。.bashrcの「$PS1」への代入文がプロンプトの定義である。しかし、プロンプトが長くなるのはわずらわしいこともある。そこで、端末マルチプレクサーであるByobu(屏風)を使って、それぞれを区別しやすいようにした。
端末マルチプレクサーとは、複数の仮想端末を作り、それぞれでシェルを起動し、キー操作などで仮想端末を切り替えたり、端末を縦横に分割して仮想端末を複数表示させるといった作業が可能になるソフトウェアだ。これを使うと、WSLのウィンドウを複数開くことなく、複数のコマンドラインが同時に利用できる。同じディストリビューションのウィンドウを開く数を減らせるので、混乱も少ない。
また、画面を分割(Byobuではsplitという)して複数のシェルを動作でき、manページを表示させつつコマンドを入力したり、処理に時間が掛かるコマンドの実行中に他の作業をするといったことが可能になる。もともと文字しか表示できないハードウェアのターミナルでマルチタスクを利用するために考えられたもので、GUIのマルチウィンドウになれた人には、奇妙なものに思えるかもしれないが、ウィンドウの配置などに気を使う必要がなく、慣れると、これはこれで作業効率が高くなる。
sshなどと組みあわせてリモート環境でも利用できる。byobuは、tmuxやscreenといった端末マルチプレクサーのフロントエンドとして動作していて、複雑な設定などを簡易にできるようになっている。
このByobuにはステータスライン表示があり、そこにディストリビューション名などを表示でき、さらにユーザー指定の文字も表示できる。この機能を使うことで、一目でウィンドウの区別ができるようになる。
UbuntuではByobuは標準で組み込まれている。なお、debianやOpenSUSE Leap 15でもByobuは利用可能だが、パッケージをインストールする必要がある。WSL向けではdebianは、Ununtuとパッケージ管理が同じなので簡単にインストールできるが、OpenSUSEはちょっと面倒である。ここではUbuntuの例について解説する。
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