出荷が遅れ市場競争力を失う
最終的にこの移植されたUNIXはAIX(Advanced Interactive eXecutive)と名付けられ、ROMPを搭載したIBM RT PC Workstationとあわせて出荷されることになった。
これはデスクサイドタイプのIBM 6150であるが、他にデスクトップモデルのIBM 6151も用意され、さらに教育機関向けのIBM 6152が追加された
画像の出典は、Old-computers.com
価格は、5.88MHzのプロセッサーカードを積んだIBM 6150の基本モデル(キーボード付き)が14945ドル、10MHzのプロセッサーカードを積んだ基本モデルは1万7940ドルである。
連載488回で、当時のCEOのFrank Carry氏が語った「300人のエンジニアで4年かかるだろう」を地で行くような話で、おまけに価格が倍以上に跳ね上がった。
ちなみに1986年といえば、すでにインテルが16MHzの80386DXの出荷を開始している時期である。1982年に出せていれば競争力のあったROMPも、もうこの時期では競争力はなかった。かくして、ROMPをそのまま発展させていくというアイディアもペーパープランに終わり、IBM RT PC Workstationもほとんど売れずに消えていくことになる。

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