このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第493回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー CPU「ROMP」を開発して自滅したIBM

2019年01月14日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

出荷が遅れ市場競争力を失う

 最終的にこの移植されたUNIXはAIX(Advanced Interactive eXecutive)と名付けられ、ROMPを搭載したIBM RT PC Workstationとあわせて出荷されることになった。

これはデスクサイドタイプのIBM 6150であるが、他にデスクトップモデルのIBM 6151も用意され、さらに教育機関向けのIBM 6152が追加された

 価格は、5.88MHzのプロセッサーカードを積んだIBM 6150の基本モデル(キーボード付き)が14945ドル、10MHzのプロセッサーカードを積んだ基本モデルは1万7940ドルである。

 連載488回で、当時のCEOのFrank Carry氏が語った「300人のエンジニアで4年かかるだろう」を地で行くような話で、おまけに価格が倍以上に跳ね上がった。

 ちなみに1986年といえば、すでにインテルが16MHzの80386DXの出荷を開始している時期である。1982年に出せていれば競争力のあったROMPも、もうこの時期では競争力はなかった。かくして、ROMPをそのまま発展させていくというアイディアもペーパープランに終わり、IBM RT PC Workstationもほとんど売れずに消えていくことになる。

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン