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石川温のPCスマホニュース解説 第22回

AIの処理性能は3倍に強化:

「5Gスマホ」が来る Snapdragon 855の性能は

2018年12月10日 16時00分更新

文● 石川温

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●AI強化 ノイズキャンセルが便利

 前モデルに比べ、CPUであるKryo 485は45%、GPU(Adreno 640)は20%も性能が向上したとのことだ。また、AIとして働くHexagon 690は、Tensor Acceleratorを実装し、パフォーマンスを大幅に向上させた。さらにこれらを組み合わせることで、従来モデルに比べてAIの処理能力が3倍に強化されるという。

 AIによって便利になりそうなのがノイズキャンセリングだ。

 スマホのマイク1つで周辺の騒がしい音と人間がしゃべっている声を聞き分けて判断。音声通話中、相手には騒音が一切消えた状態で、人間の声だけを届けるというデモを紹介していた。これはAIにより、通話と騒音を聞き分ける能力があるから実現できているというものだ。

 カメラでは、CV-ISP(Computer Vision-ISP)により、4K HDR動画撮影中にポートレート風のイメージにできるようになった。

 最近のスマホカメラのトレンドは「複数カメラ+AI」の組み合わせで、様々な画角で撮影できる一方、AI処理によって、画質をあげたり、新たな表現を提供するようになっている。すべては「インスタ映え」をねらったものだが、2019年のスマホも、複数カメラとAIが競争軸になることは間違いない。

 各メーカーがSnapdragon 855のスペックを生かし、いかに他社と差別化したスマホを投入してくるか。いまから楽しみだ。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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