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MoguraVRのゲームとって出し 第94回

海外アニメ「リック・アンド・モーティ」の主演声優も参加!

「The Stanley Parable」のクリエイターが参加! ブラックユーモア満載のVRゲーム「Accounting+」

2018年11月06日 15時40分更新

文● Mogura VR

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 2016年にリリースされ2000件以上のレビューを獲得しているVRゲーム「Accounting」。今回紹介するのは、この「Accounting」が2年の時を経てアップグレードされた「Accounting+」だ。ストアページにも「あれ、いつからゴーグルが顔に食い込んでるんだ?」という言葉に象徴されるように、「VRゲームの中でVRの世界を旅していく」ゲームとなっている。様々なバーチャル世界を渡り歩き、無事生還するのが本作の目的だ。ちなみに、本作のスタッフは海外で非常に人気のあるアニメ「リック・アンド・モーティ(Rick and Morty)」の主演声優であるジャスティン・ロイランド氏を筆頭に、Steamで数万件のレビューを集め多数の話題を呼んだ人気作品「The Stanley Parable」を手掛けたウィリアム・ピュー氏など、非常に豪華な顔ぶれとなっている。

 起動するとまずはゲームを進められるかの「賢さテスト」が始まる。実際は単なるチュートリアルなので、ガイドのクロヴィスが丁寧に教えてくれる。息を吐いて、リラックスして、などというこちらを気遣いつつも、時折面倒そうに話しかけてくる変わったガイドだ。チュートリアルを進めていく愚痴や文句までぼやきだす。

 チュートリアルで教わる内容自体はそれほど多くないのだが、クロヴィスによるユーモアあふれるトークが満載。ここまでユニークなチュートリアルがある作品も非常に珍しい。また、「リック・アンド・モーティ」のスタッフが関わっていることもあり、ファンにはおなじみのキャラクターが使用されている場面も。他にもどことなく他の作品に似せているような表現が頻出するので、画面をよく見て探してみるのも面白い。

 チュートリアルが終了するとタイトルロゴが表示されてゲームがスタートする。タイトルロゴは一見かなりバイオレンスな見た目になっているが、これの意味はゲームを一通りプレイすれば理解できるはずだ。ひとまず先に進むとしよう。

 まずプレイヤーは会計士としてオフィスで働くこととなる。机の上の赤いボタンを押せば先輩社員たちからアドバイスを受けられる。

 最初の仕事は、会計用のVRソフトが利用できるヘッドマウントディスプレーを見つけること。しかし会社のスタッフの言うとおりに探すと遠回りになり、途中でからかわれるなど、いじめを彷彿とさせるやり取りを見せつけられることに。無事仕掛けを解いてヘッドマウントディスプレーを見つけ、自分の顔に近づければバーチャル世界へと突入だ。

 しかし、ヘッドマウントディスプレーを付けたプレイヤーの目に飛び込んできたのは森のようなVR世界。どうやら不具合で別の場所に接続されてしまったようだが、簡単には脱出できないらしい。会社のスタッフとは電話でやり取りができるが、次はこの世界の住人と口論になってしまう。前途多難な状況だが、住人やスタッフからヒントを得てこの世界から抜け出そう。

 ただし、戻ろうとすればするほど深い世界にどんどん入り込んでしまうのがお決まりのパターン。元の世界に戻ろうとしても、そのたびに不思議な世界へ入り込んでしまう。道中で出会う、ぬいぐるみのような見た目だが言葉が汚いギャングたちはかなり印象に残ることだろう。根は優しい(というか小心)なようで、主人公が何かをするたびに驚いたりビビったりするので何かと面白い。

他にも叩くと喜ぶ骨が登場する地獄のようなステージや、VRの事なら何でも知っている“主”が現れる場所など、さまざまな世界を渡り歩くこととなる。

 ステージは見渡すとどことなく見たことのあるようなオブジェクトが多数登場する。単に先に進む方法を見つけるだけではなく、周囲を見渡すと思わぬ発見があるのもこのゲームの特徴だ。

 ゲームを進め、終盤になってくるともはや登場キャラクターでさえ投げやりな発言が多くなる(一部の世界では、主人公が来たことで世界がめちゃくちゃになってしまったのだから怒りもするだろうが)。怒った人々にどう対処したらいいか、それはゲームを進めていけばおのずと知ることになる。そうやって世界の住人達とやり取りをしていけば元の世界に戻ることもできるだろう。

 VRの世界から無事に帰ることができれば、オフィスで祝福が待っている。全く仕事はしていないのだが、無事に帰ってこれて一安心といったところだろう。オフィスは最初に見た時とはいろいろな部分が変化しているのでくまなく探索してみると意外な発見がある。スタッフロールの見せ方などは実にVRらしい形になっており必見。

 スタートステージでは各チャプターから再生できる機能がある。しかし、筆者がエンディングを見た後でスタート画面に戻ってみたが、全てのチャプターがアンロックされているわけではなかった。複数回プレイしなければすべてのチャプターは見られないようになっているようだ。何度もプレイして分岐を見つけるのもいいかもしれない。

 人気アニメ「リック・アンド・モーティ」のスタッフが関わっていることもあり、海外では知名度・評価ともに高い本作。無料版が発表された当初から注目されており、有料版になり内容もアップデートされたことでかなり骨太なゲームとなった印象だ。他の作品で言うと「サウス・パーク」などのブラックジョークが許容できる人にはぜひプレイしてほしい内容に仕上がっている。内容はストーリーを追うのがメインであるため、ゲーム的な要素はそれほど多くない。しかしストーリーの中身は「VRならでは」と言えるものになっており、他にはない体験が得られることは間違いないだろう。Oculus Goのアプリとして注目を集めたVRゲーム「Virtual Virtual Reality」が近い(本作の方がゲーム的な要素は少ないが、そのぶんストーリーは濃厚だと感じた)。

 最近ではVRでVRの世界を渡り歩く作品もちらほら見かけるようになってきたが、その中でも本作「Accounting+」はかなり面白いストーリーを持った作品に仕上がっている。ちょっと変わったゲームやVRでのストーリーテリングを楽しみたい人にオススメだ。

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