このページの本文へ

松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第15回

iPhoneからSIMカードスロットをなくしたい:

アップルiPhoneデュアルSIM化の理由

2018年10月09日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

eSIMをサブ回線に設定して便利に使う

 ただし物理的なSIMスロット2つでデュアルSIMを実現するのは中国向けに販売されるiPhone XS MaxとiPhone XRのみ。そのほか国向けのiPhoneは1つの物理的なSIMと内蔵されたeSIMを活用したデュアルSIM対応となります。

eSIMが規制される中国では、通常のSIMトレイの上下に2枚のnano-SIMを装着できるようにし、デュアルSIMを実現する。対応モデルはiPhone XRとiPhone XS Maxだ

 eSIMはApple Watchにも用いられている、SIMカードを差し替えずに書き換えられるSIM。iPadでは「Apple SIM」として同様の仕組みを用意しましたが、今回は「eSIM」と業界標準的な呼び方をしたことから独自規格ではないようです。

 eSIMには複数の国のモバイル回線を登録できますが、有効化できるのは1度に1つ。eSIMで選んだ回線と物理的なSIMの回線でデュアルSIMを実現するということです。eSIM側をサブに設定するのが自然な使い方かな、と想定しています。

 アップルの発表会で日本の通信会社名はありませんでしたが、米国ではVerizon、AT&T、そして筆者が使っているT-MobileがeSIMサポートを表明していました。

eSIMをサポートする携帯電話ネットワーク。日本の企業名は9月12日のiPhone発表イベント時には見られなかった

 しかしSIMロックがかかったiPhoneの場合、eSIMに書き込める回線もロックをかけた通信会社の回線のみになってしまいます。たとえばAT&TにロックされたiPhone XSのeSIMには、AT&Tの別の回線しか書き込めないということです。

 幸い、筆者が利用するT-MobileはすべてのデバイスをSIMフリーで販売していますので、あまり心配する必要はなさそうですが。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン