■この程度の見直しで競争環境は作れない
総務省としては、2年縛りを抜本的に見直して解約しやすくすることで、3キャリア間や格安スマホとの料金競争を促進させるつもりなのだろうが、この程度では今とあまり変わらないことになりそうだ。
アメリカではT-Mobileみずから2年縛りをやめるなど、キャリア自身が競争環境を作り、ユーザーを一気に獲得して盛り上がりを見せている。一方、日本のキャリアは保守的というか、ユーザーをできるだけ囲い込むことしかやろうとしない。
実際、KDDIの高橋誠社長は「総務省や公取委は何らかの影響があると思うから、我々に指導をしているのだと思う。まったく影響がないということはないのではないか。ただ、一定量の影響は出るかもしれないが、それが天地がひっくり返るほどのドラスティックなことにはならないだろう」と見る。
総務省やメディアが騒いだものの、キャリアを契約するユーザーが大量に格安スマホに流出することはなさそうだ。本当に競争環境を作りたいなら「2年契約を終えたら、あとは自由に解約できる」くらいの指導をする必要があるだろう。
それくらいの指導ができないのであれば、そもそも総務省は3キャリアに口出しする意味はない。
世間的に「4年縛り」といわれるが、実際は4年間に渡る割賦販売のことを指す。現在はKDDIとソフトバンクが提供しているが、これに対して公取委からメスが入った。公取委としては、4年間の割賦を問題視しているというよりも、2年間の支払いを終えた後に新しい端末に機種変更ができるものの、その際、同じプログラムを契約しなければいけないという点を「よろしくない」としている。4年どころか半永久縛りなプログラムになっているのが、けしからんというわけだ。
これに対し、KDDIもソフトバンクも、更新時に、同じプログラムを強制的に再加入させないように改善する予定だ。しかし、ソフトバンクは、このプログラムに対して指導が入ったことに納得がいっていない雰囲気があった。

この連載の記事
-
第269回
トピックス
通信費が0円に? 楽天がモバイルWi-Fiをバラまく本当の狙い -
第268回
トピックス
mineoが“フルMVNO”に挑む理由 格安スマホ市場の変化が背景に -
第267回
トピックス
菅元首相に“ハシゴを外された”楽天モバイルの踏ん張りに期待 -
第266回
トピックス
スマホ値上げの足音 実質1.6万円のNothing Phoneが“最後の良心”に? -
第265回
トピックス
アップル巧妙な新手数料 スマホ法“肩透かし”で終わる可能性 -
第264回
トピックス
KDDI×ローソンが挑む“ニュータウン再生” 住民は不安も、採算に自信 -
第263回
トピックス
「アクセシビリティは“人権”」アップルが40年間続ける取り組みとは -
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 - この連載の一覧へ











