Windows情報局ななふぉ出張所 第116回
タイや台湾では日本のLINEアカウントそのままでOK:
LINE PayのQRコード決済 海外でも普通に使えました
2018年08月07日 09時00分更新
バンコクの伊勢丹前の大型ディスプレイにも「Rabbit LINE Pay」の広告が。 筆者撮影
LINEのユーザー数が日本に次いで多いのが、タイです。モバイル決済の「LINE Pay」は2016年に地元企業のRabbitと提携し、「Rabbit LINE Pay」が使われています。日本でLINE Payは「決済革命」を掲げてさまざまな施策を打ち出していますが、タイではどういう状況なのか、バンコクで試してきました。
■日本のLINEアカウントでタイでも決済OK
タイにおけるLINEアクティブユーザー数は4300万人。現地ではLINEキャラクターの認知度が高く、バンコクには公式ショップもありました。
Rabbit LINE Payは高架鉄道のBTS(バンコク・スカイトレイン)で使われている交通ICカード「Rabbit」と連携したサービスです。残念ながら電車には乗れませんが、マクドナルドやフードコートでのQRコード決済に対応しており、ユーザー数も400万人を突破したとのこと。
Rabbitの決済端末はICカード用のNFCに加え、上部に光学式リーダーを備えており、QRコード決済にも対応しています。ただし、iPhoneを近づけすぎるとNFCに反応し「Apple Pay」の画面に切り替わってしまいます。やや遠めから画面をかざすのが、誤動作を防ぐコツでした。
面白いのは日本のLINE PayのQRコード決済がタイでもそのまま使えたこと。これは偶然ではなく、LINEによればタイや台湾でも問題なく利用できるそうです。
ただし日本でのQRコード決済はチャージした残高から支払いますが、タイではLINEアプリに登録したクレジットカードでの決済になるという違いがあります。
支払い時には、スマホの生体認証で本人確認を済ませると5分間だけ有効なQRコードが表示されます。これなら海外でもスキミングなどの心配をすることなく、安心してカードを使えるというわけです。
■現地SIMでタイのLINE IDを作れる
日本のLINE IDがタイでも使えるのは便利ですが、それとは別に「タイのLINE ID」も存在します。
まずは現地でSIMカードを購入。LINEアプリからタイの携帯電話番号でアカウントを登録することで、タイのLINE IDを作成できました。
タイのLINE IDでRabbit LINE Payを使うには、タイの身分証による本人確認が必要です。筆者のように外国人が使う場合も考慮されており、日本のパスポートにも正式に対応しているとのこと。あとは日本のクレジットカードを登録すると、無事に使えるようになりました。
タイのマクドナルドでは、現金によるRabbit LINE Payの残高チャージにも対応しているようです。筆者のアカウントではなぜかエラーで失敗してしまったものの、LINEに確認したところ仕様上は外国人でも問題ないということなので、なんらかの不具合かもしれません。
このようにタイのLINE IDを作れば、残高やクーポンなどローカルの機能を活用できます。しかしプリペイドSIMの電話番号は定期的に再利用されるらしく、筆者のSIMにもそうした形跡がありました。今後も番号を維持するのでなければ、一時的に試したLINE IDは削除したほうが安全でしょう。
■「QRコード=アリペイ」と間違われることも
バンコクで気になった点として、Rabbit LINE PayのQRコードを店員に見せたとき、中国アリババグループの「アリペイ」読み取り機を指さされることが何度かありました。「スマホでQRコードを見せてくる客は十中八九アリペイを使うだろう」という認識が広まっている印象です。
アリペイやWeChat Payは基本的に中国人向け。日本人が使おうとするといろいろな制限に出くわします。
一方のLINE Payは日本発のサービスとして、日本人が使いやすいよう随所に配慮されているのが嬉しいところ。国内だけでなく海外にも広がる日本のQRコード決済として期待しています。
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