MoguraVRのゲームとって出し 第84回
異常な世界観に飲み込まれる体験、“共産趣味”の皆さんはぜひ
特異な進化を遂げたソ連を満喫するVRシューティング「Soviet Lunapark VR」
2018年08月02日 17時00分更新
今回紹介するのは現実とは異なる進化を遂げたソビエト連邦(ソ連)を舞台にしたVRシューティングゲーム「Soviet Lunapark VR」だ。本作は2019年発売予定のFPSゲーム「Atomic Heart」の世界観を引き継いだ作品で、同じ地域が舞台となっている。Atomic Heartにはストーリーがあるものの、本作は基本的には世界観を味わうだけのシンプルな作品だ。
ゲームを開始すると、すっかり廃れた砂浜が目に入る。巨大な像や空を飛ぶロボット、巨大な建造物など現実離れした場所だ。生きている人間は自分以外には見当たらず、雰囲気はまさに世紀末といった様相。
砂浜には遊べるギミックも登場する。工業用のハンマーでもぐらたたきをする現実では考えられない遊びを体験できる。どこかで見たことある風貌の人形が穴から飛び出してきて、それを叩いていくだけのゲームだ。かなりの勢いで振り下ろしても台には傷がつかないので思い切り叩いていこう。2分以内にどれだけ叩けるかを競えるので、マルチプレイヤーの場合は友達と楽しめる。
よく目につく空を飛んでいるロボットの以外にも、辺りを見渡せばさまざまな場所に個性的なロボットがちらほら。カウンターに立っているバーテンダー風のロボットは遠くから動きを見るだけでもおもしろい。ほかにもロボットはたくさん居るので、ぜひ探してみてほしい。
砂浜で探索できる範囲はそれなりには広く、地下やドームの中などにも移動できる。何か特別なものがあるわけではないが、世界観が素晴らしいだけに歩いているだけでも楽しめる。
砂浜中央の柵に囲まれた部分でステージセレクトができる。特徴的なオブジェにモニターが繋がっており、看板にはステージの詳細が記載されている。ステージに番号はあるが、ストーリーや難易度の差はないのでどれから始めても問題はない。
モニターには赤いボタンが付いており、手を伸ばせば押して操作ができる。矢印が書かれたボタンを押してマルチプレイかシングルプレイを選択し、OKのボタンを押せばミッション開始。マルチプレイヤーはマッチングに時間がかかるため、手軽に始めたい人にはシングルプレイをオススメする。
ミッションを開始するとまずはキャラクターを選択するメニューに移動する。キャラクターはエンジニア、ドクター、司令官、兵士の4種類から選択できる。どのキャラクターも武器やスキルが違うため自分に合ったキャラクターを選択しよう。初心者にオススメなのは防御力の高いシールドを持ったソルジャーだ。
ステージ1は博物館のような場所で、さまざまな展示物が置いてある。オブジェクトを見ているだけでも雰囲気を楽しむには十分なくらいだ。しばらくするとアナウンスがあるためそれにしたがって操作をしていこう。
スイッチを押すとロボットのデモンストレーションが開始。展示してあるのは家事をしてくれるロボットで食器をキッチンから運ぶ……のだが、マネキンのところまで運んでいくと、いきなり食器で家主の頭を叩き始めてしまう。優秀だが欠陥のあるロボットのようだ。
もう一つのデモンストレーションとして倒木を切り倒すロボットも登場する。頭についたのこぎりで木を切っていく。こちらも優秀ではあるが、近くにある死体も切り刻むなど、やはり欠陥はあるようだ。こういうデモを見せられて嫌な予感がする人もいるかもしれないが、もちろんそれはその通り。ほかのステージで敵として登場することになる。
ロボットのデモを見終えると警報が鳴り響き、ゾンビたちが押し寄せてくる。四方八方からくるため非常に忙しい防衛戦となる。頻繁に移動をして敵の数を減らしていこう。
ソルジャーであれば盾があるので壁を背にして動かずに戦うこともできる。盾を小刻みに前後させることで敵を寄せ付けずにゾンビを集められる。一定数集まったら一網打尽にしていこう。この戦法は油断しなければ非常に強力なので、クリアできない場合は試してみて欲しい。しかし位置どりを間違えると後ろから攻撃されることもあるので気をつけよう。
直近のアップデートにより、銃の弾薬には制限が設けられている。初期段階では弾薬無制限で難易度は低かったが、現在は全てのゾンビを倒すためにはきちんと弾薬を補充しなくてはならない。手を伸ばしてトリガーボタンを押せば拾うことができる。
ステージ2は赤い液体で溺れる前にバルブを閉めて漏水を止めるステージ。バルブはさまざまな場所に隠されているのでそれを探していく。しかしその間にもどんどん水が溜まっていく。ステージ中央の大きなハンドルを回すと水位は一時的に下がるため、危なくなったらハンドルまで戻ってこよう。
ハンドルを見つけたら差込口を探そう。大型のパイプを探せばすぐに見つかるので、発見には困らないだろう。ハンドルを差し込むだけでは止まらないため、しっかり回してパイプの向こう側の漏水が止まったことを確認しよう。
バルブをすべて閉めると四方八方からゾンビが現れる。これらを撃退するとクリアだ。ほかのステージよりもゾンビの出現位置がわかりにくいため、位置取りには注意しながら戦うのをおすすめする。
ステージ4では仕掛けを解いてゾンビを撃退すると大型のロボットが動き出し、不気味に笑いながらこちらに光線で攻撃してくる。銃やスキルではダメージを与えられないので、ステージに落ちている透明な板を使って弾き返そう。
透明な板はラケットのように相手の光線を弾き飛ばすのに使う。弾き飛ばした光線をロボットにうまくあてられればダメージを与えられる。ラケットの向きやタイミングがかなりシビアなので慣れるまではまともに打ち返せないことだろう。体力が減ったら無理に打ち返そうとせずにワープで回避するのも一つの手だ。巨大なボスのような敵はこのステージでしか出てこないので一度は見て存在感を確認してほしい。
独特の世界観でほかの作品にはない雰囲気を醸し出している本作。Fallout シリーズやBioShockシリーズといったゲームの世界観が好きな方には間違いなくおすすめできる作品だ。しかし、ゲーム内容は少しありきたりなVRゾンビシューティングでもある。フレンドと協力できるシステムも搭載されているが、基本的には「Arizona Sunshine」などの既存タイトルと変わらない。世界観が非常にいいだけに、ゲームシステムがそれに追いついていない、と感じてしまうのは残念だ。しかし、VRでこういった独特かつ人を惹きつけるような世界観に入り込めるゲームはなかなか存在しない。雰囲気を楽しみたい人はぜひとも購入して体感して欲しい。なお、本編であるAtomic Heartは2019年に発売予定だ。この作品が気に入った人はそちらの情報もチェックしておこう。
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