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MoguraVRのゲームとって出し 第96回

ゲームであることを忘れるような体験

さらにリアルに、さらにプレーしやすくなったVRFPS「Zero Caliber VR」

2018年12月18日 16時50分更新

文● Mogura VR

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 よりリアルに、よりプレーしやすくなったVRFPS「Zero Caliber VR」を紹介する。「あなたがビデオゲームにいることを忘れさせるミリタリーVRのFPSの経験を開発中!」と謳っていたとおり、かなり現実に近い動きを実現したVRゲームだ。VRFPSは数多くの作品がリリースされており玉石混交のような形となっているが、本作はその中でも目を見張るべき作品に仕上がっている。

 ゲームが始まりエレベーターから降りれば、そこは指令室のようなメインルーム。ここからシングルプレーやマルチプレー、シューティングレンジなどに移動できる。置いてある武器はまだ使用できない。最初であれば行動できる場所は限られているため、一番奥にある世界地図からチュートリアルを選択しよう。

 チュートリアルでは、まず移動から開始する。ワープ移動ではなくスライドで移動していく形式だ。障害物競走の様にさまざまなギミックをクリアしていく。

 チュートリアルにはクライミングの項目もあり、壁などの四角い出っ張りをつかんで登ることができる。有利な地点に陣取ったり、武器を探しに行く際に使う事がある。もたもたしているといいマトになってしまうため迅速に移動できるようにしよう。

 シューティングレンジでは各種武器の取り扱いについて学べる。動画付きで解説されているためそれを見ながら操作をすれば問題なく銃を扱える。ハンドガンは取り回しがしやすく、狭い場所でも容易に扱える。照準で狙って撃つのはコツが必要になるため、実践で使う場合は十分に練習しよう。

 次はショットガンのシューティングレンジに移る。ショットガンは至近距離では非常に頼りになる兵器だ。アタッチメントを付けることで使いやすさは飛躍的に向上するが、少し距離が離れると使い物にならなくなってしまう点には注意しよう。銃の下側から1発ずつ弾を込めていくので、他の銃とはリロードの仕方が異なるのも気をつける点だ。

 おそらくほとんどのプレイヤーがメイン武器として選択するのはアサルトライフルだろう。豊富なアタッチメントを付けることで近距離から遠距離まで対応可能なのが特徴だ。リロードなども比較的簡単なので、初心者はまずアサルトライフルでゲームに慣れていこう。

 スナイパーライフルは長距離で威力を発揮する。ステージによっては一方的に敵を攻撃でき、非常に強力な兵器になる。しかし、スコープを覗くことや、バイポッドの使い方が独特なため練習が必要になる。使いこなせれば有用な兵器だが、接近戦などでは使いにくいため上級者向けの武器と言える。

 サブウェポンとして用意されているのが手榴弾。敵が集まっている場所に投げ込めば一網打尽にできる兵器である。拾ってピンを抜いて投げるだけの簡単な武器だが、投げる際には補正がかかるため当たりやすくなってはいる。間違ってもピンを抜いてから足元に落としたりしないように。

 チュートリアルの後半では、より実践的なトレーニングとなる。移動しながら射撃するのに慣れれば他のステージでも円滑に進むことができるだろう。慣れないうちは安全な場所に止まりつつ正確に狙い撃とう。

 ステージ上の味方には黄色のマークがついているため遠くからでも視認しやすい。頭の上にマークがない場合は敵であるため迷わずに撃とう。

 ステージをクリアすると新しい武器がアンロックされるとともにポイントが加算される。新しい武器やアタッチメントはメインメニューからポイントで購入ができる。ただ、シングルプレーを進めるだけであればステージに落ちているアイテムだけで十分である。そのためお気に入りの装備をアンロックするまでポイントは温存しておこう。

 シングルプレーのステージは目的地を目指して進んでいくスタイル。目的地に近づくと敵が出てくるためそれを殲滅して先に進んでいく。敵が出てくる際はまとまって出現することが多いので油断して前に出ると囲まれてすぐにゲームオーバーになる事もある。どこに敵がいるかを見極めて障害物に身を隠しながら先に進もう。

 木の上にある狙撃ポイントに登ることも可能。見晴らしの良い地点を確保すれば敵を有利な場所から狙い撃てる。こういったポイントを有効活用するために中~長距離用の狙撃銃を持っておこう。しかし見晴らしがよい分、敵からも見えやすいということなので集中砲火を浴びることも。遠くの敵を狙うのが苦手な場合は登らないという選択肢もある。

 目的地には非戦闘員がいる場合もある。目的地マーカーのすぐそばにいるため間違えることはないと思うが、誤射はしないように気を付けよう。

 ステージはいくつか用意されており、さまざまシチュエーションで戦うことができる。敵の出現場所などは各ステージごとに決まっているが、油断すると後ろから撃たれたりすることもある。初めてのステージは慎重に進んでいこう。

 協力プレーのみであるがマルチプレーモードも実装されている。対戦プレーがないためかプレイヤー数は少なめ。ローカルでのマルチプレーにも対応しているため、PCが複数台あれば同じ場所で楽しむことも可能だ。

 VRFPSはSteamで販売されているVRゲームの中でも人気が高く、それだけに大量のゲームがリリースされている。冒頭で述べた通り玉石混交といった状態だが、本作はそのなかでも多くの高評価が寄せられている。VRFPSでは人気の「Onward」や「Pavlov VR」と比べても、銃のカスタマイズやシングルプレーの豊富さなどは好感触。とくにアタッチメントの多さは自由度の高さに直結しており、カスタマイズで自分に合ったプレイスタイルを実現できる。操作やシステムなども、前述の両作品の良い点を併せ持つような形で取り入れられており、より初心者でも体験しやすい内容になっていると言えるだろう。

 一方、シングルプレーは豊富なものの、やや単調である点は否めなかった。ステージを道なりに進み、目的地に近づくと敵が出てくる。それを全滅させて次の目的地に向かう……という流れの繰り返しである。ステージは複数存在するが、基本的な流れはどれも同じで、続けていると飽きてしまう感は否めない。また、マルチプレーでは他のVRFPSと比べると人が少ない点も気になった。他のVRFPSで人気の高い対戦モードはこれから実装される予定となっているため、それに期待したいところ。

 Zero Caliburでは親切なチュートリアルが用意されていることもあり、本格的なVRシューティングゲームが初めてのプレイヤーでもオススメできるタイトルになっている。本作でVRシューティングゲームのノウハウを学べば他のVRシューティングゲームでも通用はするだろう。ただし、操作は比較的簡単にはなっているが、VRシューティングゲーム自体が操作の難易度が高いため、「VRゲーム自体に慣れている」人向けのジャンルではある。高難易度でプレーする場合は、チュートリアルやキャンペーンで十分に訓練をしてから挑もう。あくまで「VRシューティングゲームとしては初心者向け」ではあるが、「VR初心者向け」ではない点は気をつけてほしい。そこさえクリアできれば、戦場はすぐそこだ。

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