本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第64回は、表示方法をカスタマイズしてPDF文書を快適に閲覧してみる。
「閲覧モード」機能でPDFを快適に閲覧
マニュアルやカタログ、スキャンした書類、電子書籍など、数百ページにおよぶPDFファイルを閲覧することもあるだろう。もちろん、いつもの画面で読み進めることも可能だが、Acrobat DCにはさまざまな表示機能が用意されている。じっくりPDFファイルを閲覧するなら、できるだけ余計なものは目に入れずに快適に読みたいところ。今回は、PDFを快適に閲覧する方法を紹介しよう。
まず、一番簡単なのが、「閲覧モード」を利用すること。ツールバーやナビゲーションパネルが非表示になり、すっきりと表示されるようになる。閲覧モードに移行する方法は3つ用意されており、「表示」メニューから「閲覧モード」をクリックするか、ツールバーの「閲覧モード」アイコンをクリックするか、ショートカットのCtrl+Hキーを押せばいい。
マウスのホイールや矢印キー、スペースキーなどでページめくりが可能。Escキーを押せば「閲覧モード」が解除される。閲覧モードを解除せずに、表示倍率を変更したり任意のページにジャンプしたいなら、画面の下の方にマウスポインターを動かすとフローティングツールバーが表示される。
ディスプレーが小さい場合は「フルスクリーンモード」
ノートPCやタブレット端末の小さいディスプレーでは、ウィンドウのタイトルバーも邪魔になることがあるだろう。そんな時は、「フルスクリーンモード」を利用しよう。「表示」メニューから「フルスクリーンモード」をクリックするか、ショートカットのCtrl+Lキーを押すと、PDFファイルが全画面表示される。
ツールバーどころかタイトルバーも表示されず、文書の縦か横のどちらかに合わせて倍率を調整して表示されるので、ディスプレーを最大限活かして閲覧できる。
次のページに移動するには、スペースキーやEnterキー、Page Downキー、→キーを押し、前のページに戻るにはShift+Enterキー、Page Upキー、←キーを押せばいい。フルスクリーンモードを解除するには、Ctrl+LキーもしくはEscキーを押せばいい。ただし、Escキーで解除するには、設定を有効にしておく必要がある。
フルスクリーン表示はしたいが、ページの移動や表示モードの解除ボタンがほしいというなら、「設定」で「フルスクリーンナビゲーションバー」を表示する。
「設定」では、ほかにフルスクリーンモードでの挙動や背景色などをカスタマイズできる。前述のように、フルスクリーンモードをEscキーで解除するなら「Escキーで取り消し」にチェックを知れておく。
マルチディスプレーを利用している場合、「使用するモニター」でフルスクリーンモードで利用するディスプレーを指定することも可能。操作中のディスプレーやメインディスプレーの他、水平/垂直解像度が最大のディスプレーや最適な色、といった条件を指定することもできる。
PDFファイルのプロパティから「開き方」を設定することで、自動的にフルスクリーンモードで表示させることができる。常に最大化して表示したいファイルがあるなら、設定しておいてもいいだろう。
また、初期設定ではフルスクリーンモードで起動しようとすると確認ダイアログが開くようになっている。この画面も表示したくないなら、確認ダイアログの「この文書に帯する選択内容を記憶する」にチェックすればいい。「設定」から「文書がフルスクリーンモードを要求時に警告」のチェックを外してもいい。
スマホ・タブレット向けのAcrobat Readerアプリの場合
スマホ・タブレット向けのAcrobat Readerアプリでは、画面をタップするとタイトルバーやツールバーが隠れるようになっている。基本的にフルスクリーンで表示されるのだ。
ページめくりの方法がいくつか用意されているので、文書の内容などに合わせて読みやすいモードを選択しよう。「スクロールモード」アイコンをタップすると、4モードが表示される。
「連続ページ」モードでは、上下にスクロールして表示される。注釈などを付けるのに向いており、横書きの長文なども読みやすい。「単一ページ」では、左右をタップしてページめくりが可能。縦書きの電子書籍を読むときなどに向いている。「リーダーモード」では縦スクロールになり、画面に合わせてテキストが折り返されるようになる。ズームができず、画像は独立した行に表示される。PowerPointのスライドから作成したPDFなどを見るときには便利だ。「ナイトモード」はスクロールの方法ではなく、暗い配色に変更して目の負担を落としてくれる機能だ。
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