小さなヘッドセットを耳に装着し、スマートフォンとワイヤレス接続してハンズフリーでいろいろなコミュニケーションができるアイテムとして2016年末に登場したのが「Xperia Ear」です。
Xperia Earは一般的なBluetoothヘッドセットと同様、スマホからの着信をハンズフリー通話したり音楽を聞いたりでき、さらにスマートホンに通知がくると音声で教えてくれたり、自分が話しかけることでスマートフォンの操作を手伝ってくれたりといった「声のアシスタント」をしてくれるガジェットでした。
ただしXperia Earは、片耳だけに装着するため、音楽を楽しむには物足りなかったり、片耳だけ塞がれた左右のアンバランスさに違和感がありました。
このたび、両耳に装着しつつ耳を塞がないように大きく進化した「Xperia Ear Duo」が登場。スマートフォンのXperiaと連携して使ってみました。
Xperia Ear Duoは左右が独立したヘッドセットで、それぞれの大きさは約17.5×59.6×10.2mmで、重量も約10.6gと軽量です。とても不思議なカタチですが、これが快適な装着感と、耳を塞がずに周りの音が聞こえながらも音声を聞くためのデザインなのです。
耳への装着は、耳たぶをはさむようにひっかけて本体部分を耳の後ろに、金属パイプ部分が耳たぶをグルっとまわって耳の穴にフィットします。先のリングサポーターという輪になった部分が、耳の穴の浅いところにピタっと安定します。耳の穴をガッチリ塞いでしまうイヤーピースとはまるで違っています。
ちなみに、どこから音が出ているのかというと、本体部分からニョキっと伸びる金属のパイプ(音導管)の先から、耳の穴に向かって音を出す仕組みになっています。
バッテリー駆動時間は最大で4時間程度です。これではさすがに短すぎるので、そんなときに強い味方が専用の「チャージャーケース」。このチャージャーケースに収めることで、Xperia Ear Duoに3回ぶん充電できます。ということは、追加充電を繰り返したとして、最大で16時間程度は使えるという計算になります。
充電している間に使えないのは不便極まりないですが、これに対応するため7分充電することで1時間再生できる急速充電機能を備えています。
ケースのサイズは、直径約89×25mmで重量は約76g。本体を含めても約97.2gです。トータル重量で100gを切り、丸くて薄いデザインのためカバンやポケットに忍ばせてもかさばらないサイズ感です。チャージャーケースへの充電端子もUSB Type-Cになっており、最近のXperiaであればケーブルを共用できます。
XperiaとのペアリングはいつもどおりNFCでタッチするものと思いきや、Xperia Ear Duoは異なります。まず最初にXperia Ear Duo専用アプリをインストールして、アプリのスタートアップをする手順でペアリングを行います。
実際に装着してみると、Xperia Ear Duoのいわゆる下掛けスタイルは、耳への負荷がとても低いことに驚きます。まったく何も着けていない状態とはいかないまでも、耳に挿入するインナイヤータイプと比べると、その差は歴然です。
装着時の安定性もとても良く、例えば首をふったり、歩いたり、走ったりしても、ずれたり落ちたりということはまず起きにくいです。このスタイルであれば、オトナも子どもも男女も関係なく、耳のカタチや大きさにほとんど影響されることなく装着できそうです。しかも、ワイヤレスかつ左右独立型ならではの、わずらわしい配線がない身軽さがあります。
肝心な音の聞こえ方はというと、周囲の音を聞くオープンスタイルで音楽を聴いてみると、懸念していた軽いシャカシャカした音ではなく、しっかり耳に音が伝え渡る心地よさがありました。
音楽に没頭したいのであれば、耳の穴を覆う密閉型のイヤフォンが最適ですが、ふだん何か作業をしながらBGM的に音楽を聴くような「ながら聴き」を好むユーザーにはXperia Ear Duoがピッタリです。
Xperia Ear Duoの左右間の通信方式は、補聴器などで使われているNFMI(Near Field Magnetic Induction:近距離電磁誘導)を採用していることもあり、遅延もほぼないに等しく、動画を見たりゲームをプレイしても、映像と音がズレていてイライラすることもありません。仮に、片耳を手で覆っても通信が途切れることもなく、よほどのことがなければ電波の混信などでの音途切れも起きにくいでしょう。
気になる音漏れですが、もともとボリュームをめいっぱい上げて聴くような使い方ではないため、必要十分な音量で聴いてもまず音漏れはありません。もちろん、大きくするほど音漏れしやすくなるので、やりすぎは禁物ですが。
Xperia Ear Duoの機能に、周囲の環境に合わせて自動音量調節してくれる「アダプティブボリュームコントロール」というのもあるので、意図せずボリュームが上がりすぎることも防げます。
歩いている時もランニングしていても「耳から外れてしまうかも?」という不安を抱くことなく、ごく自然に装着できます。また、自転車や車の接近を感じたり、声をかけられても無視してしまうなんてこともなく、電車や空港でのアナウンスも耳に入ってきます。いつもと変わらないままで気軽に使えるというのが、Xperia Ear Duoを毎日使おうと思わせる原動力になります。
もちろん、Xperia Ear Duoの魅力はこれにとどまりません。次回はお役立ちのアシスタント機能をご紹介いたします。
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