このページの本文へ

最新パーツ性能チェック 第226回

ZenとVegaが合体した「Ryzen G」は低予算自作における革命だった!

2018年02月12日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 では検証に入る前に、Ryzen Gがいったいどのような層をターゲットにした製品なのかを明確にしておこう。Ryzen 1000シリーズは内蔵GPUを持たないため、内蔵GPUを標準搭載するインテルのメインストリームCPU(今ならCoffee Lake)と比較すると、微妙に使いづらい面があった。

 特に低予算でRyzen 3や5の下位モデルを使ってPCを一台組もうと思ったら、ローエンドビデオカードを買わなければならないのは大きな痛手だ。

 Ryzen Gシリーズは低予算でも、高性能なグラフィック描画性能を持つPCが組めることを武器にしている。AMD Aシリーズの時代でもインテル製内蔵GPUより描画性能が高かったが、Ryzen GのターゲットはGT 1030やRX 550といったローエンドGPUだ。

 つまり、安価なインテル製CPUとローエンドGPUでPCを組むなら、Ryzen Gを使った方がより手軽で同等の性能が出るよ、ということだ。そして当然のことだが、Ryzen Gの内蔵GPU性能はインテル製内蔵GPUよりも圧倒的に高い、というアピールも行っている。

 そこでざっと値段を比較したのが以下の表だ。マザーボードはATX、メモリーは4GB×2とし、Ryzen Gシリーズを含めた4種類のCPUで、コアパーツの調達価格にどの程度の差が出るかを比較したものだ。ストレージや電源ユニット、OS等の値段は省いているが、高性能内蔵GPUでビデオカードが要らないぶん、確かにインテル製CPUより安く組める。

Ryzen Gシリーズと、それに価格的に競合するCPUで組んだ場合、コア部分はどの程度の予算になるかを比較したもの。Ryzen Gシリーズはメモリーが高くつくが、マザーが安くビデオカードが不要なぶん、トータルではCore i5やi3よりも安く組める

カテゴリートップへ

この連載の記事