私たちの働き方カタログ 第15回
リモートワークもいいけど会社にも来てほしいJUBILIEE WORKS
24時間お酒OKなスタートアップは業務改善もアジャイルで民主的
2017年12月14日 10時30分更新
その会社にはその会社ならではの働き方がある。みんなの働き方改革・業務改善を追う連載「私たちの働き方カタログ」の第15回は、カレンダー共有サービス「TimeTree」を手がけるJUBILEE WORKS。代表取締役の深川泰斗氏にアジャイルで民主的な会社の作り方を聞いてみた。
アジャイル開発の手法を会社経営にも取り入れてみた
「働き方改革」というキーワードでとかく課題になる社内制度。多くの会社は、就業時間や規則、給料、手当などさまざまな制度を持っているが、完全に自由にしたらどうなるか? 社員の自主性に任せたらどうなるのか? それを実践するスタートアップがいる。
共有を前提としたカレンダーアプリ「TimeTree」を手がけるJUBILEE WORKSは、2014年の創業以来、働く時間も場所も決めていない。西新宿にオフィスは構えているが、「寂しくなった頃に、週に1回だけ会社に来るという人もいます。子育て中のメンバーも多いので、保護者会に出てからというメンバーも多いですね」(深川氏)という。
深川氏は創業するにあたってどこまで自由にできるか、とにかく振り切ってみようと考えたという。「制約を付けると、人間は限界を試したくなるのですが、完全に自由にすると、かえって自分でコントロールできるようになるのかもしれません」と語る。
当初は社長の想いからスタートした取り組みも、今では完全にメンバー同士での自主運営になっている。「アジャイル開発でふりかえりを重視するKPTという手法があるのですが、これを会社の経営手法に当てめてみました。今の会社のいいところ、悪いところを洗い出す会議を隔週でやっていて、そこには僕も参加します」(深川氏)。ここでは会社の戦略や制度の不備、現場でのいろいろな課題が議題に挙がり、ホワイトボードに貼られ、担当も決まっていくという。
社員全員が総務をやっている感じ
働く時間や場所も決まっていないJUBILEE WORKSだが、働き方やオフィスもユニークだ。まず24時間、お酒も含めて飲食も可能で、ワインセラーまで置いてある。当初は夕方からというルールにしようとしたが、社員の自主性を重視し、結果24時間OKになったそう。メンバー同士でボードゲームをたしなむことも多い。
また、オフィスでは社員同士で呑むだけでなく、2ヶ月に1回くらいのペースでTimeTreeユーザーを募って、パーティをやっている。「インタビューという堅苦しい感じではなく、発表とかもなく、基本的にユーザーと交流を深めるのが目的。お子様連れで楽しんでくれる方もいますね」(深川氏)。
オフィスに備蓄してある飲み物や食料品に限らず、本や日常品、必要なデジタルデバイスはすべて会社アカウントで購入できる。足りないことに気がついた人がオーダーし、Slackで共有するという流れなので、いわゆる立て替えや購入というプロセスもない。「みんなで会社を作っていくために、全員が総務やってるみたいな感じですかね」(深川氏)とのことで、Slackに通知される受付アプリや呼び出し機も自作したし、金曜日はメンバーでオフィスをきちんと掃除する。
「僕らは時間も場所も、自由ですけど、オフィスには来たくなるよう工夫しています」(深川氏)とのことで、リモートワーク可能でも、メンバー同士が直接やりとりできるオフィスは大事にしている。変化の速いコンシューマー向けのサービスを成長させて行くには、会話内での違和感がきちんと感じられるリアルなコミュニケーションが重要だと考えているからだ。
会社概要
JUBILEE WORKSは、iOS/Android/Web対応のカレンダーシェアアプリ「TimeTree」(2015年3月24日リリース)を運営しています。利用ユーザーの多くはTimeTreeを家族・恋人・友人などのグループで共有し、日々のスケジュールを相談・計画する場として利用されています。登録ユーザー数は600万に上ります(2017年11月現在)。
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