2017年10月3日に発行された週刊アスキー No.1146に「niconico(く)はどうなるべきか ニコニコ動画10年史」という特集が掲載されています。
ニコニコ動画(仮)としてスタートした2006年12月以降の約10年間が年表にまとめられています。特集記事のページをめくり、これまでの時代を追っていくたびに「niconicoにはさまざまな出来事や遍歴がこれまでたくさんあったのだなぁ……」と自分自身も感慨深く思ったのです。
さて、ドワンゴは4年ぶりの新バージョンとなる「niconico(く):ニコニコクレッシェンド」を2017年10月に提供開始する、と4月にアナウンスをしており、予定どおりにいけば、その時はまもなくやってきます。
発表から約半年の間、niconicoのユーザーの中でも、特にニコニコ生放送(ニコ生)でライブ配信をする配信者(生主)たちは「niconico(く)」への期待や不安、いろいろな想いで過ごしてきたと思うのです。
「niconico(く)」が登場することによって、ニコ生がこれまでと比べてどのように変わることをユーザーに期待されているか、そして「niconico(く)」で必ず変わっていなければならないところを、改めてまとめてみたいと思います。
変わることを期待されている、必ず変わっていなければならないところ
niconico(く)によって変わることを期待されているところ、必ず変わっていなければならないところは大きく4つあると考えます。
(1)マネタイズの仕組みが確立されること
YouTubeにはYouTubeパートナープログラムという、再生数や動画広告表示などに応じてクリエイターが動画を収益化し、収益を受け取ることができるようにする仕組みがありますが、実は、niconicoにも「クリエイター奨励プログラム」という奨励金を受け取る仕組みがあります。
ただ、これまでニコニコ動画をはじめとするいくつかのサービスでは収益化の対象となっていたものの、ニコ生がniconicoの「クリエイター奨励プログラム」に対応したのはつい最近(2017年10月から)のことです。
これにより、ニコ生においても「自身の放送の人気度に応じた奨励金を受け取れる」となったのですが、ただ、その人気度をはかる「クリエイター奨励スコア」の付与基準などが明確ではなく、ユーザーから見れば「クリエイター奨励プログラム」はニコ生のマネタイズ手段として「とてもわかりづらい」ところが多くあります。
また、収益化までに4ヶ月以上の長い時間がかかることと、いまさら(対応されても、という)感もあり、「クリエイター奨励プログラム」がニコ生に対応したことによる歓迎の声は、ユーザーからあまり聴こえてこないのが現状のようです。
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