昨年はローランドが超ロングセラーのギターアンプ「JCシリーズ」のディテールを再現した「JC-01」を販売して話題を集めたが、今年も有名ギターアンプメーカーのBluetooth対応スピーカー発表が相次いでいる。
たとえばフェンダーの「NEWPORT」「MONTEREY」や、VOXの「Air Adio」など。コンセプトの違いはあれど、いずれもメーカーらしい個性を感じられておもしろい。
もちろんギターアンプの王者、マーシャルも以前からBluetoothスピーカーをラインナップしてきたが、この夏、輸入代理店が加賀ソルネットに変わり、改めて2機種が国内発売されることになった。この機会にマーシャルブランドのBluetoothスピーカーをチェックしてみようと思う。
今回発売されたのは「ACTON BLUETOOTH」(3万2184円)と「STANMORE BLUETOOTH」(4万6310円)の2機種。サイズの違いはあれど、マーシャルアンプのディテールを再現した作りは同じだ。
マーシャルのデザイン要素はバッチリ
マーシャルはイギリスのギターアンプメーカーで、1960年代に最初の製品「JTM45」を送り出して以降、大音量のディストーションサウンドと共にロックサウンドのアイコン的存在となった。特にヘッドアンプと2台のスピーカーキャビネットを積み重ねたスリースタックスタイルは、マーシャルが作り出したものだ。
マーシャルのデザイン要素は昔から同じで、木製の筐体に黒いトーレックスを外装材として張り込み、アンプのパネル、ロゴ、縁取りのパイピングはゴールド。そしてスピーカーのグリルクロスはブラックとグレーという具合。
Bluetoothスピーカーもその伝統的な基本線を守っていて、形やサイズはまったく違ていても、どう見てもマーシャルの製品にしか見えない。
デザイン以外で2機種に共通するのは、電源スイッチがトグル型であること。外部入力端子として、3.5mmステレオミニ端子をパネル面に持ち、ボタンでBluetoothと切り替えられること。BASS/TREBLEの2バンドEQを持つのは、ギターアンプのパネルデザインの要素も大きいが、ギターアンプメーカーのBluetoothスピーカーならではの機能とも言える。
どちらもエンクロージャーはバスレフ構造で、バスレフポートは背面に開いている。結構重量はあるが(ACTON BLUETOOTHは3kg、STANMORE BLUETOOTHは5.1kg)筐体にハンドルなどはないので、持ち運びの際には、このバスレフポートに指を突っ込んで持ち上げると楽かもしれない。