AMDは16コア/32スレッドの「Ryzen Threadripper」をお披露目! 今年はサーバーやモバイルPCにも攻め込む
2017年06月01日 11時00分更新
AMDは5月31日、COMPUTEX TAIPEI 2017の関連イベントとして、台北市内でプレスカンファレンスを開催。「Ryzen」シリーズのハイエンド版「Ryzen Threadripper」や、ノートPC向けの「Ryzen Mobile」といった新製品についてアナウンスを行なった。
カンファレンスに登壇したAMDのCEO リサ・スー氏は「今年はAMDが台湾に進出して30周年の節目の年」であるとし、「2017年はAMDやパートナーにとって重要な年となる」と解説。そのうえでCPUの戦略として、サーバー向けの「EPYC」とPC向けとなる「Ryzen」の両輪についての最新情報を公開した。
EPYCはサーバー向けのCPUで、現在インテルのXeonが市場を占めている2ソケット向けの市場を狙った製品。細かな仕様については発表がなかったが、競合するXeonと比べてコア数では45%、メモリーの帯域幅は122%、I/Oに着いては60%の向上が見込まれている。またEPYCは1ソケットで動作する製品のラインアップを予定しており、1ソケットでも、2ソケットで動作するXeonの半分以上の性能が出せるという。
プレゼンでは、EPYCの詳細は6月20日に発表するとアナウンスされており、続報が待たれるところだ。
「Ryzen」シリーズについては、メーカー製PCへの採用が好調であることアピール。Lenovo、HP、Dell、ASUS、Acerの5社がゲストとして登壇。プレスや関係者に向けてAMDの復権を印象づけた。
続いて「Ryzen」シリーズのハイエンド版「Ryzen Threadripper」についての発表が行なわれた。「Ryzen Threadripper」は最上位モデルが16コア/32スレッドに対応。コア数こそインテルが前日に発表した「Core X」シリーズの最上位モデルに劣るものの、PCI Express 3.0は64レーンと上回っている。ゲーム系のヘビーユーザーにはCPUの処理能力よりも、グラフィック能力を向上できるほうに注視されており、会場でもこのアナウンスがあったときは、大きな歓声で受け入れられていた。
「Ryzen Threadripper」は今夏のリリースを予定しており、ASRock、ASUS、GIGABYTE、MSIからマザーボードがリリースされるとのこと。会場には各社の「Ryzen Threadripper」対応マザーボードが展示されていた。ちなみにチップセットはX399となり、ソケット形状も現在発売されているRyzen 7/5とは形状が異なり互換性はない。
さらにノートPC向けの「Ryzen」シリーズ、「Ryzen Mobile」についての発表も行なわれた。Ryzen Mobileの構成はZEN CPUとVega GPUの組み合わせとなっており、性能としてはインテルの第7世代Coreと比較してCPUでは50%、GPU性能では40%、電力消費は半分と大幅に上回っているとのこと。パワフルが必要なゲーミング向けだけでなく、2in1といったモバイル向けまで幅広くカバーする。
プレゼンではRyzen Mobileを搭載したAMD開発のリファレンスモデルを披露。ヒンジが360度回転する2in1タイプで厚さは10mm以下と、モバイルPCとして十分最前線にたてるスペックを実現している。
Ryzen Mobileのリリースは一般消費者向けが2017年後半、法人向けが2018年前半を予定しているため、搭載PCを実際に目にするのはしばらく先になりそうだが、デスクトップPC市場で息を吹き返してきた勢いで、ノートPC市場にも食い込むのがAMDの狙いのようだ。
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