LINEモバイルが3月15日に開催した発表会では、2016年9月のサービス開始から右肩上がりで成長してきた、同社の最新状況が明らかになりました。
注目は、ユーザー調査によって判明した93%という高い満足度です。個人的にLINEモバイルを契約して使っている筆者としても、この数字には納得できるものがあります。
「3GBプラン」なのに5GB使える感覚
LINEモバイルといえば、SNSの利用をパケットとしてカウントしない「コミュニケーションフリープラン」で知られています。新規ユーザーも、このプランを選択することが最も多いようです。
カウントフリーの対象は当初のLINEとTwitter、Facebookに加え、写真が多いためデータ量がかさむといわれるInstagramにも対応したことで、無料の範囲は拡大しています。
具体的にどれくらい無料かというと、データ通信全体の27%相当がカウントフリー対象であるとの数字をLINEモバイルは公開しました。
筆者の実感として、3つのSNSを毎日スマホでチェックしているとそれぞれ1GB程度、合計で3GBは消費します。ほかにもWebブラウザーやゲームでの消費も考えれば、5GB以上のプランが必要になります。しかしカウントフリーでSNSの利用分がなくなれば、3GBプランで足りるというわけです。
カウントフリーで特定のアプリを優遇することは今後の競争や技術革新に悪影響を与える可能性もあり、議論は続いているものの、当面は大きな強みになるでしょう。
MVNOらしからぬ速度も高評価
LINEモバイルでは、速度の速さも満足度が高い理由に挙がっています。LINEモバイルに慣れてしまうと、SIMカードを差し替えたとき「ほかのMVNOってこんなに遅かったのか」と感じることが筆者も何度かありました。
自腹を切って使っている以上、不満があればこういう機会に主張したいところですが、特にないのが現状です。ユーザー満足度調査では、上から「とても満足」「満足」「やや満足」と回答したユーザーが93%で、「とても満足」と「満足」だけに限っても約8割に達する勢いでした。
契約回線数は2016年10月時点に比べて2月に2.4倍、3月に3.5倍という相対的な比率は公開したものの、絶対数は非公開のため具体的な市場シェアは不明です。しかしサービス開始時には小さく始めておき、手応えを感じたところで大規模展開するという戦略のため、数字が大事になってくるのはこれからでしょう。
ちょっと気になるのは、ユーザーが「LINEサービスとの連携」をあまり重視していない点です。コスパの高さを理由に使っているユーザーは、他にもっとコスパの高いMVNOが現れたとき、簡単に乗り換えてしまうからです。
「ブラウン」や「コニー」が全国のSIMフリー売り場に
2017年には「格安スマホ」をうたう事業者の中でも淘汰が始まるといわれています。先頭集団のグループを見ていくと、初心者向けには大手キャリア系のY!mobileかUQモバイル、端末を安く買いたいなら楽天モバイル、大手の安心感を求めるならOCNやIIJmioと、それぞれに特徴が出てきています。
その中でLINEモバイルは、新たに通話定額プランも今夏から提供。実店舗展開も、ビックカメラとヨドバシカメラを皮切りに全国100カ所に拡大する計画を発表し、いよいよSIMフリー売り場でLINEのキャラクターを目にする機会が増えそうです。
ユーザー視点での不安要素としては、新規ユーザーが急に増えることで速度が下がってしまうのではないか、という点くらい。「今後も速度はしっかり維持していく」という嘉戸社長の説明に期待しています。
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