2016年のデジカメは、新機種の登場が遅れた感じがあったが、それでも印象的なデジカメは多く、ミラーレス機や一眼レフの新しい機種が多く発売され、大いに注目を集めた。
しかし、お買い得という観点から考えたとき、実はコンパクトデジタルカメラが注目に値する。
今回はコンパクト型ながらもスマホには置き換えできない魅力を満載しているお買い得なデジカメを紹介する。
7万円程度で購入可能な高画質機
富士フイルム「X70」
今年の2月に発売されたデジカメで、直販サイトでは税込9万6660円となっているが、最安ベースなら7万円程度で入手が可能だ。割引率はそれほどでもないのだが、APS-Cサイズセンサーを採用しているコンパクトデジカメとしてはかなりお得だといえる。
レンズ交換はできないものの、35mm版換算で28mm相当の広角レンズを採用。スナップ撮影に最適だ。レンズ固定ではあるものの、基本的な機能やスペックは同社のミラーレス一眼に準拠しているので不満は感じない。
撮像素子には富士独自のカラーフィルター配列を持つ「X-Trans CMOS II」を採用。有効画素数は約1630万画素でローパスフィルターレスだ。
専用設計されたレンズに加え、画像処理エンジンの「EXR プロセッサーII」により、ISO 51200までの感度設定ができる。
デジカメにおいて重要な撮像素子にはXシリーズで実績のあるセンサーとエンジン、それに専用に設計したレンズを組み合わせることで、レンズ交換可能なXシリーズよりも画質の期待値は高い。実際に撮影したデータを見ても遠景の解像力や質感の再現性はかなりの高水準に達している。
画質はもちろんだが、AF機能にも注目だ。像面コントラスト検出方式だけでなく、像面位相差検出方式を組み合わせたハイブリッドセンサーは、暗いシーンでも素早く精度の高いピント合わせができる。
ミラーレス機はAFが遅いとか、苦手といった話はもう過去のものになってきてはいるが、「X70」のAFスピードはその中でもかなり速い部類に入る。なお、AF追従でも秒間8コマの連写が可能な点も見逃せない。
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