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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第482回

iPhone 7 Plusの被写界深度エフェクトで猫を撮る

2016年11月04日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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外で撮ってみると……これはかなり使える!

 もちろん外でもOK。

 ただ、背景をぼかすには被写体がそれなりに近くにいなきゃいけない。遠いと被写体が遠すぎるので背景ぼかしは使えませんといわれる(その場合は普通の写真になる)。

 だから、外猫をこれで撮るときはある程度近づかせてくれる猫じゃなきゃいけない。

 だからといって、足下にすりすりされても困るわけで、この猫、毛並み的に飼い猫だと思うのだけど、めちゃ人に慣れてて、とにかくじっとせず、誰かの足下にすりすりして匂いをつけては別の人に移動し、という具合なのである。

 そんな中で一瞬、止まった瞬間を。

背景が自然にボケてくれるのが素晴らしい。背景がボケると、後ろに立っている人じゃなくて猫にすっと目線がいく(2016年11月 アップル iPhone 7 Plus)

 この写真のポイントは背景。

 猫のすぐ近くにいる人のジーンズより、その後ろにある家の壁の方が大きくボケていること。

 遠くの方が大きくボケるってのは大事。それで遠近感がそこはかとなく出て、より自然なボケになるのだ。

 猫の足下の排水溝も徐々にボケていってるでしょう。

 この自然な感じがいいのだ。

 で、なんとかこちらを向いてくれた瞬間を狙って撮ったのがこちら。iPhoneを逆さにもって猫目線で執ってみた。

ちょっと被写体ブレしちゃったけど、背景の車もナンバーが読めないくらいにぼかてくれていいかんじだ(2016年11月 アップル iPhone 7 Plus)

ちょっと被写体ブレしちゃったけど、背景の車もナンバーが読めないくらいにぼかてくれていいかんじだ(2016年11月 アップル iPhone 7 Plus)

 猫がじっとしてないのでちょっと被写体ブレしてるけど、背景がいい感じにボケてくれたのはわかるかと思う。

 これは使える!

 最後はとっておきの神社猫。

 ゴチャッとした背景がほわっといい感じにボケてくれたおかげで猫の存在が際立ってくれた。でもボケすぎないから、背景がカラフルでどんな雰囲気の場所だったかはしっかり伝わる。

最後に背景ボケ写真の良さがきれいに出た写真を。背景がカラフルで細かいので背景がボケてないと猫がちょっと埋もれちゃう。でもいい感じにボケてくれたおかげで、白い猫がふわっと目立ってくれるのだ。いい雰囲気になってくれた(2016年11月 アップル iPhone 7 Plus)

最後に背景ボケ写真の良さがきれいに出た写真を。背景がカラフルで細かいので背景がボケてないと猫がちょっと埋もれちゃう。でもいい感じにボケてくれたおかげで、白い猫がふわっと目立ってくれるのだ。いい雰囲気になってくれた(2016年11月 アップル iPhone 7 Plus)

 スマホの写真も進化しているのだなあ、と思っていただけると幸い。

 同じような背景ぼかし機能を持つスマホは他にもあるけど、iPhoneはちょっと望遠気味になる分、デジタル一眼で背景をボカしたときと似たような雰囲気になることと、エッジが比較的しっかりしていること(猫のようなふわふわな被写体が相手だと、被写体と背景の境界で失敗しやすいのだ)。

 というわけで、iPhone 7 Plusの方、ぜひお試しを。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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