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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第237回

奇抜な造型に惚れる、ボトル型PC「Diginnos DG-CANPC」を活用する技

2016年10月26日 10時00分更新

文● 柳谷智宣、編集●オオタ/ASCII.jp

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「Surfece 3」と同じCPUを搭載、Win 10が普通に動く!

 お借りしたのは「Windows 10 Home 64bit」インストールモデル。Windows 10 Pro版もラインナップしており、こちらは5000円高くなる。普通のWindows 10なので、USBでつなぐ周辺機器はほとんど利用できる。もちろんUSBハブも利用できるので、メインPCとして使うことだってできる。

 CPUはタブレットやコンパクトPCに搭載されるインテルAtom x7-Z8700を搭載。Cherry Trail世代で、製造プロセスは14m、4コア4スレッドの処理が行なえる。昨年発売されたマイクロソフトの2in1 PC「Surfece 3」と同じCPUだ。メモリは4GBのDDR3Lで、ストレージは32GBのeMMCとなる。

 まずはベンチマークを取ってみよう。「ズバッと解決! Windows 10探偵団 ― 第165回 Windows 10にはPCの性能を計測する機能はないの?」で紹介した方法で、Windows 7の時のようなエクスペリエンスインデックスを計測してみる。

 結果は、プロセッサが6.8、メモリが5.9、グラフィックスが4.9、プライマリハードディスクが6.7という結果になった。確かに高いわけではないが、原稿のスティックPCよりは総じて高いスコアになっている。

「winsat」コマンドでエクスペリエンスインデックスを計測する

エクスペリエンスインデックスの結果

 YouTubeで高画質の動画を再生してもコマ落ちなどは発生しない。スピーカーはモノラルなので、音楽を楽しみたいならヘッドホンを利用した方がいいかもしれない。ブラウザーの動作も軽快で、特に待たされるようなことはなかった。

Edgeブラウザーでは広告などが少し遅れて表示されることもあるが、基本的にサクサク動作する

HD動画もスムーズに再生できる。音声もモノラルスピーカーから再生される。音はそこまで悪くはない

 今回は手元に本体を置いてレビューしていたのだが、動作音というかファンの音が少々気になった。ちょっと高音の風きり音が一定のレベルでずっと続くのだ。離して置いたり、ディスプレーの裏側であれば気にならないが、近くだと耳に付く。静かな自室での利用は難しいかもしれない。とは言え、うるさいわけではないので、ある程度の音がするリビングなどであれば問題ないだろう。

冷却ファンの音がちょっと耳に付く

ストレージは心許ないがSDカードで増やせる

 エクスプローラで確認したところ、Cドライブのストレージは28.5GBで、空き容量は17.6GBとちょっと心許ない。microSDカードスロット(SDXC)を備えているので、データはSDカードに保存するようにしたほうがいいだろう。

 OSのバージョンは1607でAnniversary Updateは適用済み。とは言え、いくつかWindows Updateがあったので適用したのだが、空き容量が15.1GBになってしまった。ちょっとこれだとつらい。ディスククリーンナップ機能で不要ファイルを全削除したほうがいいだろう。ちなみに、Windows Updateの適用には1時間以上かかった。

起動時の空き領域は17.6GB

OSはWindows 10 Homeで、Anniversary Updateは適用済み

Windows Updateを適用すると空き容量ががんがん減るので、「ディスククリーンアップ」機能で不要ファイルを削除しよう

コンパクトPCを探しているなら選択肢!
持ち運びを念頭に置くなら最有力候補か

 コンパクトPCとして考えれば性能は十分で、デザイン性もよく文句なし。500mlペットボトルよりも軽いので持ち運びもラクだ。筆者が使う可能性は低いが、海外旅行に持参した時に電源が利用できなくても、バッテリーを搭載しているのでとりあえず6時間はPCを大画面で使えるという保険もある。また、セキュリティー機能としては、インテルセキュリティーの「マカフィー・リブセーフ」の12ヵ月版を標準搭載。1年間のライセンスが無料で付いているのはありがたいところ。

 スティックPCと比べて優れているのは、ファンによるCPUの冷却だ。温度が高くなり動作が極端に遅くなってしまうことがない。その分、動作音が耳に付くのは我慢のしどころだろう。また、CPUも強力になっているので、快適に操作できるのもいい。

 気になる販売価格は2万6800円(税抜)。Windows 10 Proインストールモデルは3万1800円(税抜)となる。Windows 10搭載PCと考えれば格安だろう。デスクトップPCを置けなかったり、出先に持ち出したりするニーズがあるが、スティックPCではパワー不足、と言う人にオススメだ。

筆者としては出張の際に持って行きたいコンパクトPCだ


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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