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マイクロソフト・トゥディ 第208回

MS SQL Server 2016は、オラクルの牙城をいかに崩すか、PostgreSQLにどう対抗していくのか

2016年09月21日 10時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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 日本マイクロソフトが、「Microsoft SQL Server 2016」の販売拡大に力を注いでいる。

 同社では、2017年度(2016年7月~2017年6月)の重点課題として、「お客様のデジタルトランスフォーメーションの推進」「クラウド利用率の増加」「データカルチャーの醸成とデータプラットフォーム(SQL Server)の拡大」「法人分野でのWindows 10の普及」「最新デバイスによる新たなエクスペリエンスの実現」「クラウド時代のパートナーシップ」の6点を挙げており、SQL Server 2016の販売拡大を重点課題のひとつに含めている。

 2017年度に売上高の約50%をクラウドが占める目標を掲げたり、CSP(クラウド ソリューション プロバイダー)参加企業を倍増させる計画を打ち出したりといったように、クラウドシフトが前面に出ている日本マイクロソフトだが、SQL Server 2016によって、引き続きオンプレミス領域にも積極的な展開を進めることになる。

 日本マイクロソフトの平野拓也社長は、「日本の企業はデータ活用が苦手であるという傾向がある。業務効率化、事業継続性、業務の可視化といった点で、データ活用は重要であり、ビジネスを動かす原動力になる。2017年度は、Azureだけでなく新たなSQL Server 2016の提案も加速させ、ハイブリッド、オンプレミス、クラウドをしっかりと活用してもらう環境を実現していく」と述べる。

 SQL Server 2016 は、常時暗号化機能やインメモリ機能、クラウドへのストレッチ機能、モバイルBI機能、Rとの統合機能などの新たな技術を搭載。これらをすべて標準機能としてビルトインしているため、オプション機能として追加購入する必要がないのが特徴だ。これにより初期費用や運用費用を抑えることが可能であると同社では説明する。

Microsoft SQL Server 2016販売拡大に向けた体制

 Microsoft SQL Server 2016の販売拡大に向けた体制づくりにも余念がない。

 ひとつは、Oracle DatabaseおよびOracle Exadataから SQL Server 2016への移行を検討しているユーザーを対象に、SQL Serverのライセンスを特別価格で提供するプログラムを実施している点だ。

 最低50コア以上の移行プロジェクトであることや、Oracle DatabaseおよびOracle ExadataからSQL Serverへの移行が前提といったこと条件となるが、この特別価格を利用することで、その差額分を移行に関するSI費用に充当可能になるというわけだ。

 このプログラムの実施においては、国内の主要SIパートナーと連携。パートナー各社が、OracleからSQL Serverへの移行支援サービスを提供する。

 米国では無償という刺激的な提案が行なわれているが、実は日本においても近い戦略的価格が設定されている。だが、パートナーを通じた施策であることから、日本では無償という表現を避けた格好だ。特別価格の内容は、まさにスペシャルなものだ。

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