東京ゲームショウ2016レポート 第24回
東京ゲームショウで長蛇の列をつくったVRハード現る!
厚さ16mm・88g! 超小型VRHMDはPC&専用端末と接続で外でもVRが楽しめる
2016年09月19日 10時00分更新
東京ゲームショウのVRコーナーでは、中国のShenzhen Dlodlo Technologiesが開発し、双日プラネットが国内代理店を務める、一見サングラスにしか見えない超薄型・軽量のVRヘッドマウントディスプレー(HMD)の「Dlodlo(トト) V1」の体験デモに長蛇の列が出来ていた。
今までになく小型なVRヘッドマウントディスプレー
Dlodlo V1は解像度が2400×1200ドットの2K、視野角が105度。小型で目の前を覆う形状をしているため、メガネありでは装着できない。今回展示されたモデルは、プロトタイプのため焦点距離調整機能は搭載していないが、正式版ではメガネがなくても見えるだけの調整機能を実装するとのこと。左右の視差調整は自動。
私は裸眼が左右0.01以下だが、ディスプレーとの距離が近いのもあってか、ぼんやりはするものの十分文字の判別は可能だった。コンテンツ次第なところもあるのではっきりとは言えないが、解像度と視野角はGearVRよりやや上くらいといったところ。小型ながら、目を完全に覆うような形状のため、外光はほぼ入らず、映像に没頭できる。
見え方はともかく、特筆すべきは厚さわずか16ミリ、重量88グラムといった薄く、軽い点だ。実際に装着してみると、横からみれば普通のメガネよりは当然大きく見えるが、他のVRHMDよりは圧倒的に小型。とはいえ、重心が前側にあるのか、耳にかけただけではバランスが取りづらかった。そのことは、承知のうえのようで、正式版ではヘッドバンドを備え付けるとのこと。
体験デモでは本体をPCと接続し、迫りくる敵を剣で斬りつけまくるゲームをプレイ。Dlodlo V1はリフレッシュレートが90HzとHTC Viveなどと同等。9軸センサーモジュールとヘッドトラッキングを搭載し、360度映像を楽しめた。接続したPCのスペックは不明だが、頭を激しく振っても画面がカクつくことなくスムーズに表示しており、剣を振るエフェクトも遅延なく快適だった。
ちなみに、本機はPCに接続するほか「Dlodlo D1」という、Android 5.0をベースとしたカスタムOSのDlodlo OS 1.0を備えたモバイル端末と接続して、外出先でもVRが楽しめるという。
Dlodlo D1は4コア(1.6GHz)のCPUを搭載し、スマホ用のGPU「POWER VR G6230」を備える。メモリーは2GB、ストレージが32GB。インターフェースはmicroHDMI、USB Type-Cを搭載。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0。3000mAhのバッテリーを内蔵する。また、音量調整ボタン、戻るボタン、電源ボタンを搭載するようだ。
性能的にはスマホに近いが、公式サイトを見る限り、本体に液晶ディスプレーは搭載されておらず、前面のスペースはタッチ操作用パッドのようだ。スマホから映像出力を省いた、アプリ起動と操作のみを行なうモバイル端末といった表現が最も適しているように思える。35ミリのイヤホンジャックと、マイクは搭載するため、音声チャットなどは行なえるだろう。
Dlodlo V1は来年2017年に発売予定で、価格は7万円台くらいになるかもとのこと。Dlodlo D1は別売りとのこと。まだプロトタイプとのことだが、PC接続した際の使用感は他のVRヘッドマウントディスプレーに近いものがありながら、圧倒的に薄く・軽いのは魅力的。ただし、対応ゲームなどは現状中国産のもののみとのことなので、ゲーム用途としては発展途上といえる。今後の情報に期待したい。
Dlodlo V1のほかには、今年発売予定のiPhone用VRヘッドセット「Dlodlo H2」、Androidスマホ用VRヘッドセット「Dlodlo A1」、Dlodlo OS 1.0を搭載したスタンドアローン型VRヘッドマウントディスプレー「Dlodlo X1」が展示されていた。
Dlodlo H2とA1は価格を1万円台、Dlodlo X1は3万円台で販売したいとのこと。Dlodlo H2はiPhone 6/iPhone 6 Plus/iPhone 6s/iPhone 6s Plusに対応。Dlodlo A1は4.7~5.7インチまでのAndroidスマホに対応する。すべて、9軸センサーモジュールおよび距離センサーを搭載。Dlodlo H2はLightningケーブル、Dlodlo A1はスマホの下部中央にマイクロUSBがあるスマホと直結し、本体側面にあるタッチパッドで操作を可能とする。そのため、すべての製品が、スマホを搭載したら直接画面操作が行なえない簡易的なVRヘッドセットよりも、一段上の体験ができるのだろう。
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