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山谷剛史の「アジアIT小話」 第130回

新iPhone発売後、やっぱり中国ではニセiPhoneが登場するのは確定!

2016年08月18日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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実用度ではiPhoneより中国メーカー製品が人気

両面ガラスを採用したファーウェイの「honor8」

両面ガラスを採用したファーウェイの「honor8」

 山寨機はともかくとして、中国市場でシェアの高いメーカーは、すでにハイスペックな製品を魅力的な価格で提供している。

 もはや中国メーカーが(昔の)MediaTekに依存していた「安かろう遅かろう」という状況と異なるのは、現在日本で売られているファーウェイの「HUAWEI P9」を見てもわかるだろう。

 中国メディアに対し、ファーウェイをはじめとした中国メーカーが「もう新型iPhoneを恐れない」といった内容のコメントを出しているあたりに自信がうかがえる。

 ユーザーをとりまく環境も変わってきた。中国はインターネットとパソコンの黎明期から、IT機器はまずは見栄で買われて、やがて実用思考のユーザーが見栄のユーザーを上回っていく。

 PCを例にすると、最初は「ThinkPad」や「Vaio Note」が、PCをロクにさわれない管理職の間で普及し、後でレノボのゲーミングノート「Idea Pad Y」シリーズが定番となっていった。

IDCの調査結果より。5位のアップルのシェアが下がっている

IDCの調査結果より。5位のアップルのシェアが下がっている

 現在進行形でiPhone 6/6s Plusのゴールドモデルは見栄が張れると評判だが、中国メーカーのAndroid搭載モデルが実用的だと人気となっている。

 Windowsにおいては中国人向けにカスタマイズされたフリーダムな改造海賊版OSを使っていたように、Androidでも中国向けにある程度カスタマイズされているのが肌に合うし、逆にJail Break率が世界で最も高いと言われる中国でiOSというのは中国人の肌に合わず、物足りないと思う人は少なくない。

 いつのまにか中国メーカーのスマホが支持されて使われる状況にある。次期iPhoneのデザインが独特で、持っているだけでメンツを満たすとしても、それに似たコンセプトデザインの機種が中国メーカーから出たら、メンツアイテムとしても新型iPhoneの魅力は減少する。

 増え続けるAndroid(中国向けカスタムROM)スマートフォンユーザーにとって、曲面ディスプレー採用のAndroidスマートフォンはリプレイスする価値があると感じるかもしれない。

 いつのまにか4.5インチのスマートフォンが消えて5インチのスマートフォンユーザーばかりになったように、中国メーカーの曲面ディスプレー搭載スマホユーザーばかりが街にあふれかえりそうだ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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