JAWS-UG東北勉強会レポート 第2回
初心者目線の話題から分散処理などテックな話題まで多彩に展開
初登壇からICDP、アドテクまでバラエティ豊かなJAWS-UG青森
2016年08月10日 07時00分更新
セミナー向けの環境構築をEC2+AMI+CLIでバッチ処理化した對馬さん
業務でのAWS活用についてプレゼンテーションを行なったのは、青森出身で現在は東京の企業に勤める對馬 陽子さん。澤田氏と同じく、登壇はこの日が初めて。對馬さんが務めるアプレッソでは、システム同士を連携させるEAIソフトウェア「DataSpider」を開発、販売しており、そのデモンストレーション環境を構築するのが業務のひとつになっている。
デモンストレーション環境が必要になるのは、ハンズオンセミナーやハッカソン会場など。各地のハッカソンやセミナーに、APIと他のシステムとつなぐ役割としてDataSpiderを貸し出しているのだという。
「ハッカソンではどの程度の人数が集まるか事前に把握しづらいことが多く、環境をいくつ用意すればいいのかわかりません。多く用意しすぎると無駄になりますし、足りないとその場で構築しなければならなくなります」(對馬さん)
そこで目を付けたのが、Amazon EC2だ。ひな形となる環境のマシンイメージをAMIとして保存。約5分で必要な環境を提供できるようにした。ひとつのイメージから複製するだけので、作業ミスもない。
ハンズオンセミナーに必要な環境構築には、さらにひと工夫が加えられている。EC2とAMIを活用している点は変わらないが、ハンズオンセミナーは毎月定期開催されるため、CLIを使って環境構築をバッチ処理化しているという。使っているのはAWS Tools for Windows Powershellで、技術部署の同僚に手伝ってもらいながらがんばってスクリプトを書いたという。
「楽。そのひとことですね。セミナー開催日当日まで環境の用意を忘れていても間に合うくらいです」(對馬さん)
実際にアプリを作ってみてわかったサーバーレス化の壁を語った福井さん
有名なWebサービスへの実装を目指した実証実験について語ったのは、「note」を提供するピースオブケイクに勤める福井 烈さん。福井さんは青森県南津軽郡大鰐町に住み、普段はテレワークで仕事をしている。
福井さんが行なったプレゼンテーションのタイトルは「とあるサービスにおける、とあるAPIの、サーバーレス化を目指した検証のアレコレ」というもの。とあるサービスがnoteを指しているのは言わずもがなだ。
「こういう風に実装しましたという導入事例を期待していた方には申し訳ないのですが、まだ検証段階で導入にはいたっていません。今日は、検証してきた中でわかったことをみなさんにお話ししたいと思います」(福井さん)
サーバーレス化で目指すのは、マネージドサービスへの切り替えによる人的リソースのコストダウン、対象機能をアプリケーションサーバから独立させることによるサーバ負荷の軽減と可用性・保守性の向上。そしてあわよくば、サーバ費用もコストダウンしたいと語る。使うサービスはLamda、API Gateway、そしてElasticsearch Serviceだ。 「とはいえどれも使ったことがなかったので、これらの機能を使って簡単なアプリを作って理解を深めることにしました。Webには多くの先人の知恵もありますし、習うより慣れろ、です」(福井さん)
開発環境として選んだのは、GoをサポートしているApex。理由は「Goを書いてみたかったから」とシンプルだ。オープンソースで公開されている約20万件のレストランデータを借りて、レストラン検索アプリを作ってみたという。 「実際にアプリを作ってみてハマったのは、API GatewayとLambda間のマッピング設定や、API GatewayにおけるCORSの設定などですね。CORSを有効にしてdeploy APIを実行しないと、エラーが出ます」(福井さん)
また、修正のたびにdeployしなければならないので、Lambdaのデバッグは手間がかかるとのこと。この辺りの負担軽減策も含めて、実際にどの言語とどの開発環境を使って実装するかなど、チームのスキルセットも考慮しながら今後検討していくと語った。
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