海外メーカーの新製品が続々と日本に上陸しています。しかし、2月のMWC 2016で華々しく発表されたLGの「G5」は残念ながら日本への投入は現時点では無さそう。代わりにLGはauのオリジナルブランドスマホ「Qua phone」の2世代目、「Qua phone PX」を日本でリリースしています。このQua phone PX、海外にはベースモデルがあるのでしょうか?
価格と性能のバランスが絶妙な「Qua phone PX」
7月1日から発売になったQua phone PX。価格の手ごろなミドルレンジ系の製品で、これがSIMフリーだったらサブ機にいますぐにでも買いたくなっちゃいます。
au系列のMVNOから発売されることもぜひ期待したいのですが、こんな製品を出してくるってことは、きっと海外にベースとなる製品があるはず。デザインは違っても本体サイズが微妙に似ていて、ケースとか流用できちゃう、なんてモデルがもしかしたらあるかもしれないんですよね。
Qua phone PXのスペックはCPUがSnapdragon 430、メモリー2GB、ストレージ16GB。ディスプレーは5.2型のフルHD解像度IPS液晶で、カメラは背面が1600万画素、正面が800万画素です。
本体サイズは約幅73×奥行き7.5×高さ148ミリで、重量は約127グラム。典型的なミドルレンジ機と言えます。これらのスペックのうち、スマホのサイズに影響するのはディスプレーサイズ。5.2型液晶を搭載したLGのスマホはどれくらいあるのでしょう?
最近のLG端末で5.2型モデルはそんなにない
2014年以降のLGのスマホで、ディスプレーサイズが5.2型のモデルは「G3 A」「G4 S(Beat)」「Nexus 5X」「X Cam」の4機種のみ。
このうちG3 AとG4 Beatは背面カメラの下にボリューム上下ボタンと電源ボタンを備えた独自のインターフェースを搭載しています。一般的な背面デザインであるQua phone PXとは大きく異なっているので、この2モデルということは無さそうです。
残る2モデルのうち、Nexus 5Xはグーグルのリファレンスモデルですし、位置づけとしてはほぼハイエンド。本体サイズは幅72.6x奥行き7.9×高さ147ミリで、厚み以外はかなり似ているものの、背面カメラの下の指紋認証センサーの存在や、本体右に縦に並ぶ電源ボタンとボリュームボタンはQua phone PXと異なります。
ということで、Nexus 5Xをスペックダウンしたモデル、ということでは無いですね。
カメラ特化のミドルレンジ「X cam」が一番の有力候補?
では、残りの1モデル「X cam」はどうでしょうか?
X camは背面にデュアルカメラを搭載した、ミドルレンジながらもカメラを強化したモデル。本体サイズは幅73.6×奥行き6.9×高さ147.5ミリで、Qua phone PXとほぼ同サイズで厚みは薄くなっています。
一見すると背面の印象は全く異なりますが、本体の左側面に注目。SIMとメモリーカードのフタが一体化していますが、これはQua phone PXでも同じです。しかも、その上にはボリュームボタン、右側に電源ボタンがあるのも同じ。
なお、X CamのSoCはMediaTekのMT6753。Qua phone PXとは異なるものの、同じミドルレンジ向けのSoCです。
ということは、Qua phone PXはX camと基本設計が同じマザーボードを使い、カメラやCPUなどを交換、防水対応など日本向けに仕様変更したモデルということなのかも。実際、X Camを入手してQua phone PXと並べて比べてみたいものです。
SIMフリー機としての日本展開にも期待したい
LGの顔となるフラグシップモデルは2月のMWC 2016で発表された、合体型スマホ「G5」です。しかし、LGはミッドレンジモデルも続々と新製品を投入しており、コストパフォーマンスに優れた製品を各国で販売しています。
現在のミドルレンジは「Xシリーズ」。それぞれのモデルは大型バッテリーを搭載したり、WQHD解像度のディスプレーを搭載するなど、特徴ある機能を売りにしています。そういえば、LGは記事のトップ写真にあるように、4つの色ごとに個性のあるキャラクターを持たせた「LG AKA」など、遊び心のあるミドルレンジスマホも出していました。
2016年6月に発表されたXシリーズ最新モデルは「LG X power」「LG X mach」「LG X style」「LG X max」の4モデル。それぞれ名前で特徴がわかりますよね。すなわち「大容量バッテリー」「高解像度ディスプレー」「スタイリッシュ」「大画面」を売りにしたモデルです。
ミドルレンジモデルなので、価格は日本円でも2万円から4万円台といったところでしょう。このクラスのモデルなら、SIMフリーで日本市場投入も十分ありでしょうね。G5の日本投入は見送られましたが、ぜひともXシリーズを日本向けに販売してほしいものです。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部でスタート!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰〜山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰〜山根博士の携帯大辞典」を読む
★ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。
この連載の記事
-
第782回
スマホ
紙のような書き心地のタブレット「HONOR Pad 9 Pro」は学生に人気 -
第735回
スマホ
もはやアート! シャオミ「Xiaomi 15 シルバー版」は背面の凹凸模様が美しすぎ -
第733回
スマホ
ハッセルブラッドカメラで話題の「OPPO Find X8」の日本未発売カラー3色を比較した -
第731回
スマホ
スマホ世界シェア4位をうかがう「Infinix」から激薄モデルや折りたたみが続々 -
第730回
スマホ
AQUOS R9 proのカメラ周りをドレスアップ! フィルター装着で広がるスマホの楽しみ方 -
第729回
スマホ
激薄折りたたみ「Galaxy Z Fold Special Edition」のケース3種類を試す -
第728回
スマホ
Xiaomi 14Tにフィルター装着できるMagSafeケース、香港の予約特典に登場 -
第727回
スマホ
Galaxyの2025年モデルがいよいよ登場「Galaxy A16 5G」が販売開始 -
第726回
スマホ
1700万円のシャオミ製スーパースポーツEV「SU7 Ultra」を広州モーターショーで見た -
第725回
スマホ
この冬一番の注目スマホ、超薄型折りたたみの「心系天下W25」がサムスンから登場 -
第724回
スマホ
駅名ごとGalaxy! クアラルンプールの「Samsung Galaxy駅」がスゴすぎた! - この連載の一覧へ