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山根博士の海外モバイル通信 第301回

auの2016年夏モデル「Qua phone PX」のベースはLGのミドルレンジスマホ?

2016年07月14日 16時00分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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AKAなど、多彩なスマホを繰り出すLG

 海外メーカーの新製品が続々と日本に上陸しています。しかし、2月のMWC 2016で華々しく発表されたLGの「G5」は残念ながら日本への投入は現時点では無さそう。代わりにLGはauのオリジナルブランドスマホ「Qua phone」の2世代目、「Qua phone PX」を日本でリリースしています。このQua phone PX、海外にはベースモデルがあるのでしょうか?

価格と性能のバランスが絶妙な「Qua phone PX」

LG製に変わった2世代目の「Qua phone PX」

 7月1日から発売になったQua phone PX。価格の手ごろなミドルレンジ系の製品で、これがSIMフリーだったらサブ機にいますぐにでも買いたくなっちゃいます。

 au系列のMVNOから発売されることもぜひ期待したいのですが、こんな製品を出してくるってことは、きっと海外にベースとなる製品があるはず。デザインは違っても本体サイズが微妙に似ていて、ケースとか流用できちゃう、なんてモデルがもしかしたらあるかもしれないんですよね。

5.2型のLGスマホはどれくらいあるんだろう?

 Qua phone PXのスペックはCPUがSnapdragon 430、メモリー2GB、ストレージ16GB。ディスプレーは5.2型のフルHD解像度IPS液晶で、カメラは背面が1600万画素、正面が800万画素です。

 本体サイズは約幅73×奥行き7.5×高さ148ミリで、重量は約127グラム。典型的なミドルレンジ機と言えます。これらのスペックのうち、スマホのサイズに影響するのはディスプレーサイズ。5.2型液晶を搭載したLGのスマホはどれくらいあるのでしょう?

最近のLG端末で5.2型モデルはそんなにない

5.2型は4モデルのみ、背面の異なる「G4 S」は候補から外れる

 2014年以降のLGのスマホで、ディスプレーサイズが5.2型のモデルは「G3 A」「G4 S(Beat)」「Nexus 5X」「X Cam」の4機種のみ。

 このうちG3 AとG4 Beatは背面カメラの下にボリューム上下ボタンと電源ボタンを備えた独自のインターフェースを搭載しています。一般的な背面デザインであるQua phone PXとは大きく異なっているので、この2モデルということは無さそうです。

ハイエンド級のNexus 5Xもベースモデルでは無さそう

 残る2モデルのうち、Nexus 5Xはグーグルのリファレンスモデルですし、位置づけとしてはほぼハイエンド。本体サイズは幅72.6x奥行き7.9×高さ147ミリで、厚み以外はかなり似ているものの、背面カメラの下の指紋認証センサーの存在や、本体右に縦に並ぶ電源ボタンとボリュームボタンはQua phone PXと異なります。

 ということで、Nexus 5Xをスペックダウンしたモデル、ということでは無いですね。

カメラ特化のミドルレンジ「X cam」が一番の有力候補?

似ても似つかぬX cam、でも側面に注目

Qua phone PXも左側面にSIMとメモリーカードスロット

 では、残りの1モデル「X cam」はどうでしょうか?

 X camは背面にデュアルカメラを搭載した、ミドルレンジながらもカメラを強化したモデル。本体サイズは幅73.6×奥行き6.9×高さ147.5ミリで、Qua phone PXとほぼ同サイズで厚みは薄くなっています。

 一見すると背面の印象は全く異なりますが、本体の左側面に注目。SIMとメモリーカードのフタが一体化していますが、これはQua phone PXでも同じです。しかも、その上にはボリュームボタン、右側に電源ボタンがあるのも同じ。

Qua phone PXは、X camのカメラとCPU交換バージョンか

 なお、X CamのSoCはMediaTekのMT6753。Qua phone PXとは異なるものの、同じミドルレンジ向けのSoCです。

 ということは、Qua phone PXはX camと基本設計が同じマザーボードを使い、カメラやCPUなどを交換、防水対応など日本向けに仕様変更したモデルということなのかも。実際、X Camを入手してQua phone PXと並べて比べてみたいものです。

SIMフリー機としての日本展開にも期待したい

LGのミドルレンジは結構おもしろい

 LGの顔となるフラグシップモデルは2月のMWC 2016で発表された、合体型スマホ「G5」です。しかし、LGはミッドレンジモデルも続々と新製品を投入しており、コストパフォーマンスに優れた製品を各国で販売しています。

 現在のミドルレンジは「Xシリーズ」。それぞれのモデルは大型バッテリーを搭載したり、WQHD解像度のディスプレーを搭載するなど、特徴ある機能を売りにしています。そういえば、LGは記事のトップ写真にあるように、4つの色ごとに個性のあるキャラクターを持たせた「LG AKA」など、遊び心のあるミドルレンジスマホも出していました。

Xシリーズの日本展開、SIMフリーなら十分あり

 2016年6月に発表されたXシリーズ最新モデルは「LG X power」「LG X mach」「LG X style」「LG X max」の4モデル。それぞれ名前で特徴がわかりますよね。すなわち「大容量バッテリー」「高解像度ディスプレー」「スタイリッシュ」「大画面」を売りにしたモデルです。

 ミドルレンジモデルなので、価格は日本円でも2万円から4万円台といったところでしょう。このクラスのモデルなら、SIMフリーで日本市場投入も十分ありでしょうね。G5の日本投入は見送られましたが、ぜひともXシリーズを日本向けに販売してほしいものです。

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