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スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典 第21回

技術力も高いLGがスマートフォンで戦略変更を余儀なくされたワケ

2016年12月13日 18時00分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

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 ディスプレーが曲がっている「G Flex」など、特徴あるスマートフォンをつくる技術力を持ったLG。

 日本向けにもカスタマイズモデルや防水端末を率先して投入するなど、小回りの利く製品開発にも定評があります。LGはこれまでどんな製品を出してきたのか、振り返ってみましょう。

出遅れたスマートフォン戦略、初期の製品は伸び悩む

 「チョコレート」「アイスクリーム」「シャイン」など、LGはフィーチャーフォンで数々のヒット商品を生み出してきました。

 タッチパネルフィーチャーフォンもあのプラダとコラボした「PRADA Phone」を出すなど、世界の携帯電話市場でLGは常に大きな存在感がありました。2000年代中ごろは、LGの携帯電話はスタイリッシュなデザインで女性ユーザーの間でも評判が高かったのです。

 ですが、スマートフォンとなると、参入は大手メーカーの中でも遅めでした。初めてのスマートフォン「KS20」がリリースされたのは2007年9月。初代iPhoneより遅れての登場でした。

 このKS20は2.8型フルタッチディスプレー搭載で、同社の人気モデルのPRADA Phoneと同型の黒くて美しいデザインの製品でした。

 これはiPhoneへの対抗意識もあったのかもしれませんが、むしろ同じ韓国メーカーでライバルのサムスンが、QWERTYキーボードを搭載したBlackBerryスタイルの「Black Jack」シリーズをヒットさせていたことから、全く異なるアプローチの製品でスマートフォン市場への参入を図ったものと考えられます。

 KS20はパッケージも高級感があり、スマートフォンというだけではなく「高性能かつスタイリッシュなタッチフォン」という、一般ユーザーも意識した製品だったのです。

LG初のスマートフォンはWindows Mobile端末の「KS20」

 このKS20の登場以降、本格的にスマートフォンに参入すると思いきや、当時のLGはフィーチャーフォンが絶好調。冒頭で紹介した、ニックネームに特徴のある製品を次々と出していきます。

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