VR性能は微妙?
続いてVRでのパフォーマンスを測定してみたい。グラフィックとコンピュートタスクのバランスを自在に設定できるQuick Response QueueはOculus「Rift」でも採用されているようだが、今回はHTC「Vive」を使って検証してみる。
まずは「SteamVR Performance Test」だ。インタラクション性がないテストなのでVRシステムのCPU評価には向かないベンチだが、GPUの描画性能には割とシビアに反応する。各GPUの評価をご覧いただきたい。
ただSteamVR Performance Testはインタラクション要素に乏しく、VR環境におけるパフォーマンスを直接比較できるものではないと筆者は考える。そこでVRゲームの中でも描画がやや重めの「theBlu」のフレームレートを測定してみた。描画オブジェクト数の多い“Reef Migration”を再生し、約3分半のフレームレートを「Fraps」で比較した。
R9 380Xを除き平均ほぼ90fpsに近い。これだけを見ればRX 480はVR用としてはほぼ問題ない性能を発揮しているように見える。Viveでは1フレームあたり11ミリ秒(90fps)で描画することを理想としているが、ここで問題にするのは“どの程度時間的余裕があるか”という点だ。Viveのフレームタイミンググラフから、そのあたりをチェックしてみよう。
図の見方は上段がCPU、下段がGPUの処理時間、横軸はフレームを示している。縦軸が処理に要した時間(ミリ秒)を示しているが、青+緑の領域の先端が11以内ならOKということだ(Viveシステムでは処理時間が10.5ミリ秒を超えそうな時に赤線が表示される)。
もちろんVRにも特定GPU向けの最適化という問題があるため、この結果がすべてのVRコンテンツに当てはまるとは言えない。ただVRに強い機能を備えたPolarisだからといって、無条件に快適プレーを約束するものではない、という点もわかったはずだ。あくまでVRゲームがAMDのLiquid VRに対応していれば、重めのVRゲームでもRX 480で快適に遊べると考えるべきだろう。
この連載の記事
-
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 -
第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? -
第444回
sponsored
AI時代だからこそNVMe SSDで強化!! 新登場「WD BLUE SN5000」速攻レビュー - この連載の一覧へ