TDPは一挙に120Wまで下落
GPUブースト機能も搭載
それではRX 480のスペックをチェックしよう。Raedeonはモデル数が多いので下表もやや大きくなってしまったが、GPUに搭載されたSPやROPユニットといった回路規模はR9 390とR9 380Xの中間に位置する。しかしプロセスルールが28nmから14nm FinFETプロセスへ移行したこと、さらに様々な改善が組み込まれた結果、TDPは一挙に120Wまで下落した。
さらに、GeForce系に対し遅れをとっていたディスプレー出力も大きく進歩。HDMI2.0bとDisplayPort(DP)1.4を装備することでHDR出力も可能になっている。新世代アーキテクチャーと呼ぶに相応しいスペックだ。ただしDP1.4はフルスペックではなく、DP1.4のHDR対応の部分だけを利用する仕様となる。
RX動作クロックがベース1120MHzと高く設定されているが、それ以上に注目なのは“ブーストクロック”が設定されていること。従来のRadeonは高負荷をかけたらクロックが上限値に張り付く(R9 Nanoは例外)、というのが標準的な挙動だったが、RX 480ではクロックが変動するように変更された。
推移の詳細は後述するが、βドライバーとゲームで試した限りでは、GPUクロックは1196MHz~1266MHzの範囲で小刻みに変動した。GeForce系のGPU Boostのブーストクロックは単なる目安でしかなかったが、RX 480のブーストクロックは、ブーストの上限を明示するもの、と考えてよさそうだ。
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