1万円未満でハイレゾ録音をしたい人にはコレがおすすめ!
アナログレコードのハイレゾ録音なら、アナログ音源らしい音の感触をそのままに、手軽なデジタル再生で楽しめるようになる。しかし、ソニーのPCM-D100は価格的に手を出しにくい……という人は、PC用のUSBオーディオキャプチャユニットを検討してみよう。
USBオーディオキャプチャユニットとは、入力されたアナログ音声をデジタル化し、PCへUSB出力できる機器のこと。まさしくアナログレコードなどの録音用として商品化されている。
多くの製品はCD品質でのデジタル化なのだが、プリンストンが発売した「デジ造ハイレゾ音楽版(PCA-HACU)」(実売価格 9000円前後)は、その名の通りのハイレゾ対応モデルだ。
PCA-HACUでは、アナログ音声を最大96kHz/24bitでデジタル化が可能。実用上は十分と言えるだろう。
音声入力はアナログ入力が2系統(RCA×1、ステレオミニ×1)で、フォノイコライザーアンプも内蔵する。PCと接続するUSB端子のほか、光デジタル音声出力も備えているので、CDレコーダーやDATなどでのデジタル録音も可能だ。
付属するサウンド編集ソフト「Suond it! 7 Basic for Princeton」(Windows7/8/10対応)はなかなか高機能で、無音部分の自動検出による曲の分割機能をはじめとして、アナログ音声からのデジタル録音が手軽に行なえる。
さらにハムノイズやレコード特有の針飛びノイズ、ヒスノイズなどを除去するための各種ノイズリダクション機能が利用でき、録音形式もWAV、FLAC、AIFF、WMA、OGGなど幅広いフォーマットに対応。CDーRへの書き出し機能も備えている。
このほか、最大96kHz/24bitまでのUSB DAC機能も備えているので、なかなか多彩に使える。フォノイコライザーアンプのないアナログプレーヤーのユーザーでも使えるので、手軽にアナログレコードのハイレゾ録音をしたい人には便利だろう。
アナログレコードにはデジタルにはない数々の魅力がある
ぜひとも一度体験を!
こうして、レコード再生からハイレゾでのデジタル化まで一通り紹介してみたが、アナログ再生の面白さが伝わっただろうか。
実は筆者はアナログプレーヤーの扱いは一通り習熟しているものの、最近はすっかりデジタル再生一色。アナログレコードの人気も「しょせんは懐古趣味」と冷ややかな目で見ていた。
しかし、こうして久しぶりにアナログプレーヤーを使ってみると、懐かしさだけでなくデジタルにはない独特の音の魅力を発見して、自分の狭量さを思い知った気分になった。
また、直系30cmのレコード盤を収納する大きなジャケットは、やはり捨てがたい魅力を感じる。単純にジャケットアートが大きいので、ポスターのように壁に飾っておきたいとさえ思う。
お茶の水で中古レコードを買いあさった帰りの、手応えのある重みも、大事な音楽を所有している満足感がある。このあたりは若い頃の体験が蘇った感じでもあるので、生まれたときにはCD全盛だったという人にはまさに懐古趣味と思われるかもしれないが、一度レコードジャケットを手にしてみると、筆者の気分もわかるはず。
アナログプレーヤーにも、幅広い価格帯で製品が揃っているし、レコード自体の入手もかなりしやすい状況なので、興味を感じた人はぜひとも一度体験してみてほしい。
特にアナログプレーヤーのさまざまな調整など、手間をかけただけ音が良くなっていくという発見や喜びはオーディオに夢中になれるきっかけになるはず。手の届く範囲でも十分にその魅力は味わえるので、ぜひとも一度挑戦してみよう。
と、一旦締めさせていただいたが……実はまだ続きがあります! ある意味番外編ということで、テクニクス「SL-1200GAE」について次ページで紹介させていただく。
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