全日本空輸の整備工場で整備中の機体を見る
全日本空輸株式会社整備工場では、整備中の機体を間近で見ながら、実際に行なわれるチェックのひとつの説明を受けた。
機体の整備には4つの段階があり、毎日実行される運航整備、1~3ヵ月スパンで行なわれるA整備、1~2年スパンのC整備、5~6年スパンのHMV(Heavy Maintenance Visit)がある。
最後のHMVは、1ヶ月以上かけて実施されるものだ。また運航整備、A整備、C整備の前段としては、機体自体が行なうセルフモニタリングもあるため、整備士の目視チェックなども含めて、ここでもクロスチェックとなっている。
見学対象はC整備中の機体で、車でいえば車検に該当する。解説では、心臓部ともいえるジェットエンジン内部をチェックするエンジンBSIに使用するボアスコープが紹介された。
これは、内視鏡をイメージしてもらえるとわかりやすいと思うが、ジェットエンジンにあるボアスコープ・ポートから管を入れ、内部の様子をチェックするいうもの。
CCDカメラで静止画・動画記録ができるほか、寸法計測機能などもあり、クロスチェックしやすいものとなっている。またボアスコープ・ポートはジェットエンジン以外にもあり、HMV段階で分解しないと内部チェックできないようなところも、C整備時点で確認できるようになっている。