ハースストーン日本選手権でナンバー1プレイヤーが決定

日本人が世界を獲るeスポーツは『Hearthstone』かもしれない

2016年03月14日 18時00分更新

日本ナンバー1のハースストーンプレイヤーが決まった

 3月12日と13日の二日間、『ハースストーン日本選手権』が行なわれた。ハースストーン(Hearthstone)は、Blizzard EntertainmentのPC/モバイル向けカードゲームだ。

 ハースストーン日本選手権には、ハースストーン世界選手権ツアーポイントで国内ランキング上位32名のプレイヤーが出場した。この大会で優勝した選手は、3月25日~27日に行なわれるハースストーンのアジア太平洋選手権に進出する。

 会場はeスポーツ大会のステージとしてはお馴染みの『e-sports SQUARE AKIHABARA』、12時に試合がスタートしたが、決勝戦は19時ごろと長丁場になった。

 決勝戦に進出したのはToofu選手とmattun選手。7戦中先に4勝したほうが勝ち(BO7)で日本人最強の座を争った。選手はお互いに自分が使用する5人のヒーローを選び、その中から相手に使わせたくないヒーロー1人を選ぶ形式(残った4ヒーローで戦う)。勝ったヒーローは次戦以降使えなくなくなる。

優勝決定戦のヒーロー構成
プレイヤー toofu選手 mattun選手
第1戦 ×ウォリアー ○ウォリアー
第2戦 ×ウォリアー ○メイジ
第3戦 ○パラディン ×ウォーロック
第4戦 ○ハンター ×パラディン
第5戦 ×ウォリアー ○パラディン
第6戦 ×ウォーロック ○ウォーロック

 6戦までもつれこんだものの、結果は「あんまり人が使っていないデッキ」を中心に構築したmattun選手が優勝。mattun選手は、1週間後のアジア太平洋選手権に出場が決定した。

世界を狙う競技として、観戦ゲームとして注目すべきタイトル

 会場には100名近くの観戦者が集まったという。成人はお酒を片手にモニターの周りにあつまり、選手のプレイングに一喜一憂し、仲間と討論したり、歓声をあげていたが印象的だった。

 ビール片手にプロ野球やサッカー、格闘技を観戦して楽しむような、気軽な場ができていた。

 ハースストーンはプレイヤーの肉体的な反射神経を問われるゲームではなく、選手が何をしているのか認識しやすいゲーム性だ。自分が選手の気持ちになってどのカードを選択するのか考えながら見る余裕もあり、感情移入もしやすい。観戦するタイトルとしてはうってつけだ。

 操作技術より思考力が試されるゲームなのは、世界を目指す日本人選手にとってもプラスだ。2015年11月に行なわれた世界選手権で、Kno選手が4位になったという実績もある。そのKno選手は本大会で惜しくも敗退したが、裏を返せば世界4位を倒せる選手がまだ日本にもいて、常に強い選手が勝てるとは限らないゲーム性、ということだ。

 チーム戦ではないので、他人のミスに影響されることもない(もちろん自分以外のプレイヤーが活躍して勝つことはないので、完全に自分の能力にかかっている)。古くから将棋や囲碁など、戦略的なゲームを得意としてきた日本人なら、外国人とのeスポーツでの経験差も埋められるはずだ。

 デジタルのカードゲームなのでスタートする敷居は低い。プレイヤーの母数もリアルカードゲームに比べれば大きくなり、強い選手が生まれる可能性は増えるだろう。

新たな拡張版“旧神のささやき”のリリースが発表

 2016年4月下旬もしくは5月下旬に新たな拡張版”旧神のささやき”と新たな対戦形式”スタンダード・フォーマット”が登場する。

200

200

 スタンダード・フォーマットは、今後のハースストーンの対戦のメインの形式となる。最近リリースされた拡張カードと基本カード、クラシックカードのみを組み合わせて構築されたデッキで対戦できる。

 つまり、勝つためにデッキを充実させるのには“旧神のささやき”が必要だが、これまで過去に追加されてきたカードは使えないので、むしろ新規が参戦するにはいいタイミングだ。

 もちろん基本プレイは無料。観戦も大幅に楽しくなるので、一度触っておくことをおすすめする。

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう