日本メディア初公開の「サイバークライムセンター」
今回、米本社を訪れた際に、これまで日本のメディアには公開されていなかったいくつかの建物を取材できた。
そのひとつがサイバークライムセンターだ。
これは、2013年11月に開設されたサイバー犯罪対策の研究センターであり、サイバー犯罪対策部門「デジタルクライムユニット」が在籍。法律専門家、技術捜査員、データ分析専門家などが、マルウェアやボットネットなどのサイバー脅威の監視や情報収集のほか、政府機関や企業と連携したテイクダウンなどの対抗策、防御策を実行している。内部の写真撮影は禁止されたが、PowerMap、PowerBI、SQL Server、Office 365、Microsoft Azure などのマイクロソフト製品を活用して、リアルタイムでの情報の収集および解析を行なっており、日本に開設しているサイバークライムセンター 日本サテライトと連携した取り組みも行なっている。
マイクロソフトの“エリア51”も初公開
日本メディア初のふたつ目が、ハードウェアラボだ。ここは、社内でも通称「エリア51」と呼ばれている施設で、SurfaceやMicrosoft Bandなどの同社ブランドのハードウェア製品に関する研究が行なわれている。Surfaceのキーボードの素材選びや、タッチやセンサー技術の研究、音や映像に関する研究、そして、人間の動きを捉えたデバイスづくりなどが進められている。ここも写真撮影は禁止されたが、ラボの中では、HoloLensが多くの人の頭にフィットするように、人の頭の形をスキャンする大型設備や、それをもとに作り上げたモックアップの数々が置かれているエリアもあった。
雲を作り、雨を降らす技術実験も!? Garageプロジェクト
初公開3つめは、Garageプロジェクトに関する施設だ。Garageプロジェクトは、2009年にスタートしたもので、27号棟に用意されたこの施設は、社員が勤務時間以外などを利用して、新たな製品やサービスを作り上げることができるようになっている。しかもその取り組みは、Windowsプラットフォームに限定しないばかりか、水耕栽培や雨を降らせる技術開発など幅広い。ハッカソンも開催しており、新たな技術をスピード感を持って仕上げるといったことも行なわれている。Garageプロジェクトを通じて開発されたアプリやサービスが、すでにいくつかが公開されている。
本社エリアだけで4万人を抱える大企業のマイクロソフトだが、同社の創業時からのベンチャー精神を維持するための場としても重要な施設だといえるだろう。
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