日本マイクロソフトと東京エレクトロンデバイス(TED)は2月9日、IoTビジネスを推進する業界8社と「IoTビジネス共創ラボ」を発足した。
発足メンバーは、アクセンチュア、アバナード、テクノスデータサイエンス・マーケティング、電通国際情報サービス、TED(幹事社)、ナレッジコミュニケーション、日本マイクロソフト(事務局)、日本ユニシス、ブレインパッド、ユニアデックスの10社。
発足の狙いは「IoTのエキスパートによるエコシステム構築」「プロジェクトの共同検証によるノウハウ共有」「先進事例の共有によるIoT導入の促進」の3点。共創ラボを通じて、日本市場におけるIoTの普及とビジネス機会拡大を目指すという。
具体的な活動としては、様々な案件創出、IoT技術者育成、安心・安全なクラウドとデバイスの利用に向けて、Microsoft AzureをベースとしたIoTソリューション開発、共同検証、結果を公表するセミナーなどを実施。エンドユーザー企業と参加企業とのマッチングの場を提供する。
ワーキンググループ(WG)も結成し、ビジネスインパクトのあるIoTシナリオを検討する「ビジネスWG」、モノから収集・蓄積されたデータを分析・活用する「分析WG」のほか、産業別の利用シナリオを検証する「製造WG」「物流・社会インフラWG」「ヘルスケアWG」の計5つのWGを通じて、IoT普及を図るという。
IoT市場は2014年の9兆円から2019年の16兆円へ、年率12%の成長率でIT市場を牽引すると見られている。一方で「セキュリティ」「目的設定の難しさ」「知識・スキル不足」が課題だ。幹事社のTED IoTカンパニーでカンパニープレジデントを務める八幡浩司氏は、「マイクロソフトプラットフォームなら、これらの課題がすべて解消できると考えた。加えて、各分野でエキスパートの8社に参加していただいている」とコメント。今後も参加企業を募集し、「1年以内に100社を目指す」とした。
また、日本マイクロソフト 代表取締役会長の樋口泰行氏は同社のIoTの取り組みに触れ、「昨年、Azure IoT Hubなどのサービスを発表した。現在、IoTの活用シナリオとして有力視されているのが、遠隔監視、予兆保全、資産管理などの分野。Azure IoT Suiteではこれらの構成済みパッケージを提供しており、製造業などが迅速にスモールスタートできる。これにより、早期の共同検証を支援する。また、米国ではIoT Readyなデバイスを認証するAzure Certified for IoTプログラムが始まっているが、これを日本でも本格展開。すでに8社が認定されているが、今後も広める」と説明。
「また、IoT技術者育成として無償トレーニングを提供し、年内に1万人の育成を目指す。さらに、イベントやセミナー、パートナーマッチング、先進事例のモデル化、案件の共同開拓にて需要喚起し、1年以内に100案件を創出する」(樋口氏)と、案件ベースでの目標を語った。